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天皇賞・秋 追い切り バルク 究極

 秋の東京競馬前半戦のハイライトは「第134回天皇賞・秋」(GI 芝2000m 29日)。ディープインパクトの回避が伝えられたなか、主役の座を虎視たんたんと狙うのが道営の雄コスモバルクだ。22日には出走馬の先陣を切って本追い切りを消化。こん身の仕上げで盾に殴り込みをかける。
 先週末、北海道・道北地方では初雪の便りが届いた。22日は、札幌や日高町でも日中の気温が8度までしか上がらなかった。
 本格的な冬将軍の到来を予感させるなか、日本シリーズで奮闘している北海道日本ハムファイターズに負けず劣らず、北の大地で熱い声援を受けるコスモバルクが、悲願の国内GI制覇へ向けて最終追い切りを行った。
 昨年の有馬記念の追い切り以来またがる五十嵐冬騎手を背に午前9時30分、バルクは門別競馬場の本馬場(ダート)に姿を現した。
 キャンターに入って行きたがる、いつもの姿は見られない。非常にリラックスした走りで加速していく。直線で4、5発ステッキは入ったが、前走のオールカマー(2着)時とは一転、終いもしっかりとした脚取りでフィニッシュ。6Fから80秒8→66秒1→53秒6→39秒9→13秒0と、門別競馬場での追い切りとしては上々のタイムをマークした。
 「行き出しを含め、今まで追い切りに騎乗した中でも一番スムーズだった」と五十嵐冬騎手。追い切りを見守った田部和師も「5Fを65-66秒ぐらいで行く指示だったが、リラックスして走っていたし、最高の調教ができた」と、悲願の盾制覇に向け、まずはホッとした表情を見せた。続けて、「こういう追い切りができたのは前回、控える形で折り合う競馬ができたことが、つながっているのかな、と思う面もある」と、精神面での成長を感じ取っていた。
 オールカマー後は、ビッグレッドファーム明和で調整され、時計を2本出している。先週の坂路での3頭併せでも豪快な動きを見せており、今回の追い切りで、まさしく万全の態勢が整った。
 「北海道の人間として、ファイターズも応援していますが、それに負けないぐらいバルクの能力を発揮できる騎乗をして、北海道のファンの期待に応えたいと思います」と五十嵐冬騎手。
 中央で初めて騎乗したGIが天皇賞・秋だった彼にとって、このレースに対する思い入れは人一倍強い。数々の経験を積んできた今、悲願を成し遂げる時を迎えた。

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