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ユニクロ銀座店柳井会長の思惑

 3月16日、ユニクロ銀座店が鳴り物入りでオープンした。12階建てで売り場面積が約5000平方メートルと、同店舗としては世界最大級を誇る。しかし、運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が「年商100億円が目標」と鼻息が荒い一方、迎え撃つ老舗デパート幹部は冷ややかな感想を漏らす。
 「柳井さんは“安売り”という昔のイメージを嫌い『ユニクロは日本を代表する世界的ブランド。銀座店を通じて、そのことを世界にアピールしたい』と力説している。早い話がユニクロの高級ブランド宣言にほかならず、これは高品質を引き下げて我々デパートに真剣勝負を挑んだことを意味する。ところがデパートの売上高は昨年までの15年連続に加えて1、2月とも前年割れが続いている。同じ土俵に上がったユニクロが、これまで通りの快進撃を続けられたとしたら奇跡というしかありません」

 確かに、日本百貨店協会が先に発表した2月の全国売上高実績(前年比0.4%減)を見ても、ユニクロのホームグラウンドである衣料品は依然として苦戦続きだ。
 「銀座界隈には三越、松屋、松坂屋だけでなくルミネや阪急メンズ館などの強敵もいる。彼らが簡単に白旗を揚げるわけがありません。なまじ柳井会長が銀座店を布石に10年以内に世界一になるとブチ上げた手前、これで返り討ちに遭ったら天下の笑いものですよ」(経済記者)

 そこは百戦錬磨の柳井会長のこと、秘策を駆使してでも天下に醜態をさらす事態を回避するだろうが、「彼の最大の弱点は腹心と呼べる人材がいないこと」と関係者は打ち明ける。
 「かつて玉塚元一社長を更迭したように、彼は超の字がつくワンマンです。世界は自分を中心に回っていると信じて疑わず、部下の忠告に耳を貸すタイプじゃない。だから銀座店が迷走すれば店長以下がどう処遇されるかはおのずと明らか。役員だって会長の前では神経をピリピリさせています」(ユニクロOB)

 その柳井会長は米経済誌『フォーブス』から日本一の富豪に指名された。さすが、単なる安売り店のオヤジではない。

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