連覇を狙うカノヤザクラも、そんな暑さ大歓迎の女馬だ。復帰戦だった前走のCBC賞は11着に大敗したが、急仕上げに加えて流れも向かなかった。
「外差しが決まる馬場で、荒れた内を走らされた。それでも終いは伸びようとしていたし、内容自体は悪くなかった」と橋口調教師は振り返った。
もとより本来の狙いはサマースプリント女王の防衛だけあって、中間の上昇ぶりは目を見張る。8日の栗東坂路は800メートル53秒1→38秒8→12秒8、さらに12日にも55秒2→39秒5→12秒9の好タイムを出している。
「ひと叩きで確実に良くなった」と師が言えば、調教役の櫨山助手も「随分と落ち着きが出てきたし、見た目にもいいと分かるぐらいピカピカの毛ヅヤをしている」とうなずいた。
昨年はこのレースとセントウルSを連勝して夏の女王につなげた。鞍上はそのときと同じ小牧に戻る。「乗り慣れたジョッキーだから頼りになるね。55キロで出られるのもプラスだし、今度は地力を見せられるでしょう」
梅雨明け間近。本格化する夏とともに、カノヤザクラの季節もやってくる。
【最終追いVTR】小牧騎手を背に坂路で追われ、800メートル51秒0→37秒7→13秒1(強め)をマーク。牝馬とは思えない雄大なフットワークで、終い軽くハミを掛けられると真一文字に伸びた。得意の季節になり、間違いなく状態は上向きだ。