こう語るのは、10月8日午後9時40分ごろに火災が発生し、客と従業員3人が死亡し8人の重軽傷者を出した、広島市中区流川町の雑居ビル内のメイド喫茶『黒猫メイド魔法カフェ』の常連客(38)だ。
火災の原因については広島県警と市消防局が合同で9、10日と現場検証を行ったが、木造一部軽量鉄骨2階建ての1階奥の階段付近のゴミ置き場からの出火というだけで、まだ詳細は分かっていない(10月12日時点)。そのため現場では、様々な噂が飛び交っている。
「女の子を指名したが、なかなか来なくてイライラした客がゴミに火をつけたという話も囁かれている。それで燃え上がった火が一気に階段を通って2階に移り、さらに2階の床が抜け落ちたことで被害が大きくなったのではないか…」(近所の風俗店店長)
常連客によれば、同店は1階の一部がカウンターのあるメイドカフェで、客が女の子を指名し2階へ上がるシステムになっていた。2階には7つの部屋があり、中央の5〜6人が入れる大部屋以外はマッサージ台とシャワー室が付く個室。そこで客は女の子と2人きりになり、様々なエステが受けられたという。
「カフェの入場料1000円に加え、30分3800、60分7500円、90分1万1000円、120分1万5500円までのコースが用意されていた。表向きは、爪や頭、肩、腰、腹、脚、足裏など、客が時間とマッサージ箇所を組み合わせてリクエストし、指名したメイドにサービスしてもらうもの。しかし実際には、アロマオイルを使ったリンパマッサージが基本で、脚の付け根の際どい箇所までマッサージを行う密着サービスもありで人気でした。その場合、男性客は全裸で腰にバスタオル1枚をかけマッサージ台に乗る。犠牲となった客は火災発生時にその状態だったため、服を着ようとして逃げ遅れたのではないか、とも考えられているのです」(全国紙社会部記者)
火災の原因と防火設備の状態の究明が待たれる。