言い訳は許されない。それぐらいのデキにリトルアマポーラは仕上がった。
「桜花賞の後は疲れがまったくなかったのか、馬体減りもなく、スムーズに調整できた。前走は466kgだったけど、中間は470kg。何もいうことない」と影山助手はうなずいた。
軽快な脚さばき。実質的な追い切りは先週、済ませているが、その動きが圧巻だった。栗東DWコースで6Fから積極的にペースを上げて、81秒7→66秒0→52秒3→38秒6→11秒7。併せた古馬をまったく問題にせず0秒2先着してみせた。長めから追われていながら、残り3Fからの瞬発力は特筆もの。これが長丁場で生きるはずだ。
桜花賞は5着。後方から外を回らされる苦しい展開ながら、最後はよく追い詰めていた。「前走は半馬身の出遅れ。しかも行きっぷりが悪くてずっと気合をつけ通しだった」と武幸騎手は振り返った。
あと一歩及ばなかった原因は明らかな距離不足だ。同じマイル戦のクイーンCを快勝したとはいえ、前半ゆったり流れる東京のペースと阪神ではやはり勝手が違った。
「桜花賞の前からオークス向きだと思っていた。器用さがないから広い東京の二四はレースがしやすい」と勝利のイメージはできつつある。
年明け、2000mの京成杯でダービー候補マイネルチャールズの小差4着に食い下がったように、陣営は早くから長距離適性を強く感じ取っていた。
「牝馬特有のイライラした面がなくて、折り合いの不安が皆無なのが一番いい。余計な心配をしなくていいから楽に乗れる。桜花賞は悔しい思いをしたので、何とか巻き返したい」と鞍上は遠い目をした。
アグネスフローラ、ファビラスラフインなど牝馬のGIで実績が光る長浜厩舎。仕上げに狂いはない。狙い済ました一撃がありそうだ。
【最終追いVTR】DWコースで併せ馬。ゴール前はアグネスラック(古馬1000万)との追い比べとなり、ムチが1発叩き込まれた。1馬身抜け出してからやや気を抜く面は見られたが、鞍上が再びハミをかけると再加速。1馬身リードのままゴール板を通過した。馬体も厚みを増し、成長の跡も感じられる。