東京・内幸町の同クラブで報道陣約300人を前に、安倍首相はすっかり冷静さを欠いて「ちょっと黙ってて!」「私の話を聞いて!」などと語気荒く興奮した。もはや「美しい国」もなにもあったものではない。衆人環視下での殿のご乱心劇に、永田町関係者は「安倍首相は最悪のタイミングで“ツッコミ恐怖症”に陥ってしまった」とあきれ返っている。
この日の党首討論には、民主党・小沢一郎代表、公明党・太田昭宏代表、共産党・志位和夫委員長、社民党・福島瑞穂党首、国民新党・綿貫民輔代表、新党日本・田中康夫代表が出席。公明党を除いて“安倍首相責め”の布陣がそろった。
安倍首相が田中氏の質問に答えているときのことだった。田中氏が「それは違う…」と突っ込もうとすると、「私はあなたが話しているときには口を出さない。私の話を聞いていてください。いいですね!」とエキサイト。持ち時間6分の半分以上を安倍首相に食われてしまった田中氏から「6分のうち4分も総理にお話しいただいた。光栄です」と嫌味でやり返され、顔をこわばらせるしかなかった。