直前の日本時間27日に、カリフォルニア州オンタリオで開催されたスマックダウンではいくつかの動きがあった。アメリカメディアの一部報道によると、中邑真輔は同25日、ベイカーズフィールドで開かれたハウスショーの試合前、会場付近にいた警察犬に突然、足をかみつかれ負傷したという。
WWEは「負傷した」としかアナウンスしていないが、これが原因で、ジェフ・ハーディーが保持しているWWE USヘビー級王座への挑戦をキャンセル。当日のスマックダウンにも姿を見せなかった。
中邑は日本時間18日にイリノイ州シカゴで開催されたPPV『マネー・イン・ザ・バンク』(MITB)で、WWE王者AJスタイルズに4度目の挑戦をした。KOのみで決着する「ラストマンスタンディングマッチ」に敗れはしたものの、「両者のシングル史上ベストバウト」との声も上がるほどの名勝負だった。その後、ペイジGMの意向もあり、AJとの抗争にひとまず区切りをつけて、ジェフのUSヘビー級王座に狙いを定めた矢先、ハプニングに見舞われたのだ。
こうした経緯から、中邑のスケジュールも変わりそうだ。今回の東京公演ではノーDQ(反則裁定なし)ルールによるシングル(29日)、ダニエル・ブライアン、サモア・ジョーを加えた4選手でWWE王座戦(30日)を行うことがそれぞれ発表されている。しかし、中邑は東京公演を最後にしばらくWWE王座戦線には絡まない可能性が高い。27日現在、中邑の欠場は発表されていない。
ただ、日本公演をはじめWWEのハウスショーは良い意味で、当日予告なしにカードが変更されることがある。今回も当日に知らされる情報はあるだろう。
30日にカーメラが保持するスマックダウン女子王座に挑戦するアスカは、日本時間7月16日に開催される次回PPV『エクストリーム・ルールズ』でもカーメラとタイトル戦を戦うことが決定した。前回は試合途中、アスカに扮した“影武者”ジェームス・エルズワースが登場。困惑している隙を突かれて敗れてしまっただけに、邪魔者がいない東京公演で爪痕を残しておきたいところ。ちなみに東京公演の翌週のスマックダウンでは、アスカとエルズワースの男女対決が発表されている。
WWE所属のまま古巣ノアへの凱旋が発表され日本のファンに驚きを与えているヒデオ・イタミは、205 Liveの映像でクルーザー級王者センドリック・アレクサンダーと舌戦を展開。アレクサンダーは「ヒデオは危険な男だ」とコメントすると、そこへヒデオが登場。「チャンピオンらしくしろ!」とアレクサンダーを突き飛ばし、乱闘に発展したが、GMやレフェリーに制止されるとヒデオは「いつでもやってやるよ!コラ!」と王者を挑発した。
ヒール転向が王座獲得への近道になるのか注目されるところだが、クルーザー級のベルトを巻いて永遠のライバル・丸藤の対角線に立ち、古巣のファンにも4年間の成果を見せたいはず。東京公演ではザ・ミズ、ビック・キャスといったヘビー級選手とのシングル対決が連日予定されている。昨年はクリス・ジェリコに敗れているだけに、今年は何らかのインパクトを残して欲しい。
今年の東京公演は30日の前売り券は完売し、29日も残りわずかとなっている。国技館を一周するほど行列ができるグッズのラインナップも発表され、あとは選手の来日を待つのみだ。今年も渋谷から30分で行けるニューヨークで、世界最大のプロレス団体を体感できることに感謝したい。
取材・文 / どら増田
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