藤沢和師は「流れが遅かったけど、うまく先行してくれた。ブライアンズタイム産駒にしては素軽い(走りをする)し、これから楽しみだね」と満足げ。
一方、コンビを組んだ北村宏騎手は「スタートをうまく出て、スムーズな競馬ができました。直線では逃げた馬に一瞬離されてヒヤッとしたけど、追い出して近づいてからは速かったです」と人気に応えてホッとした様子。今後については「血統的にもいいところを狙える馬だし、厩舎でも期待しています」と大きな手応えをつかんでいた。
母は周知の通り、2002年のオークス馬。次走は年明けとのことだが、来春のクラシックに向け、楽しみな一頭が誕生した。
同日のダ1200m戦は、単勝7番人気の伏兵コスモミネルヴァ(父スターオブコジーン、母スノークイーン=美浦・池上厩舎)が4角7番手から鋭く伸び、後続に1馬身半差をつけて快勝した。勝ち時計は1分14秒1(良)。
鞍上の吉田隼騎手は「ちょっと他馬を気にするところがある。ゲート練習ではスムーズに出ていたけど、今日は両サイドの馬を気にして出れなかった」とまずは課題を指摘した。それでも、「二の脚がすごく速いから、いい位置につけられました。スピードがあるので、今後は芝にも挑戦してみたい」と話した。
明日のダート界を背負って立つ超新星が出現した。8日(土)のダ1800m戦を優勝したドリームマイスター(牡、父アジュディケーティング、母オリミツキネン=美浦・畠山吉厩舎)がそれだ。
東京大賞典など、GIで5勝を挙げている地方競馬の雄アジュディミツオーの全弟という金箔つきの良血。レースは良血馬に違わぬ圧倒的な強さを見せつけた。前の馬をまとめて掃除すると、最後は3馬身突き放した。勝ちタイムは1分57秒0(良)。
柴山騎手は「強い。相当奥が深い。砂を被っても平気だったし、直線抜け出してからは遊んでいた。」と興奮気味に話した。一方、畠山吉師は「大型馬(506kg)だけど、まだシンが入っていない」と底知れぬパワーをアピール。喜びを隠せなかった。
同日の芝1200m戦はタニノゴッドマザー(牝、父ニホンピロニール、母タニノビッグネーム=美浦・小桧山厩舎)が、鮮やかな逃げ切り勝ちを飾った。勝ちタイムは1分10秒9(良)。
殊勲の坂下秀騎手(北海道競馬所属)は「いいところがあると聞いていたので、最初から逃げる作戦でした」と会心のレースに満面笑み。さらに、「後ろから馬がくると伸びていたし、競馬をわかっているようだった。2歳馬にしてはセンスがいい」と褒めちぎった。クビ差の辛勝だが、着差以上に余裕があった。将来性については「控えても競馬はできるし、距離延びても大丈夫」と話していた。