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キャンプイン直前情報『広島』編 前田のステップアップで巨人を叩く!

 昨季、広島で規定投球回数に達したのは、前田健太投手(22)しかいない。前田に次ぐ先発ローテーション投手の増員、さらには、崩壊寸前だった救援陣を建て直すためだろう。

 野村謙二郎監督(44)の投手構想は序盤戦で崩壊した。一昨年まで『3年連続30セーブ』を挙げていた守護神の永川勝浩(30)右長内転筋、恥骨筋損傷で登録抹消(4月14日)。セットアッパーで予定していたシュルツ(31)も腰痛のため、5月8日に離脱した。一昨年、43イニング連続無失点、4季ぶりの2ケタ勝利をマークした大竹寛(27)の不在も痛手となり、前田1人に頼らざるを得ない状況に陥った。

 即戦力として指名した投手陣のなかで、誰が救援にまわるかも注目である。左腕・金丸将也(23=東海理化)だと思われる。金丸は08年の中部大学時代もドラフト候補に名前が挙がっていたが、肩痛で指名されなかった。社会人に進んだ後も「球速は140キロ台」とあまり高く評価されてこなかったが、昨年の都市対抗予選では150キロ台のストレートを投げ続けていた。肩痛が完全に癒えたからだが、リリーフでの登板も多かった。おそらく、永川に繋ぐセットアッパーとして起用されるだろう。2年目の武内久士(23)もファームでリリーフ起用されている。この武内が出てくれば、野村監督が継投策で頭を悩ますことはなくなる。

 広島のチーム防御率は4.80。先発投手だけだと、4.53。救援投手陣のみで計算し直すと、5.33まで落ち込む。リリーバーの防御率が先発投手陣よりも悪いのは、セ・リーグで広島だけだ。エース・前田は最優秀防御率のタイトルも獲得している。前田1人の防御率が「2.21」だから、2番手以降の先発投手のレベルアップは不可欠となる。1位指名の福井優也(22=早稲田大)はもちろんだが、2位・中村恭平(22=富士大)、3位・岩見優輝(23=大阪ガス)もテストされるだろう。2年目の今村猛(19)は13試合に登板しているが(主に先発)、時期を急ぎたくないというのが首脳陣のホンネかもしれない。

 しかし、広島が本当に優勝するには、前田のステップアップこそが最優先事項である。
 前田は巨人戦で3勝を挙げている。チーム対戦成績は6勝18敗だから、改めて前田の成長、存在感が窺える。しかし、『対上位3チーム』で見る前田の成績は芳しくない。6勝6敗。つまり、中日、阪神、巨人の上位3チームから『貯金』を稼ぐことができなかったのだ。防御率もこの3球団に対しては、3.38まで落ち込む…。ヤクルトの館山は昨季12勝だったが、うち7勝を中日、阪神、巨人から稼いでいる。前田には上位チームをもっと苦しめてもらいたい。

 本拠地・マツダスタジアムにおける広島の対戦成績は31勝37敗。一昨年も29勝37敗1分けと負け越している。チーム全体での出塁率「3割2分4厘」は、リーグ5位。長打率「3割8分3厘」は同4位。盗塁数「119」と犠打犠飛「177」はダントツの1位だった。チーム総得点「596」(4位)。野村監督は機動力野球の復活を目指しているという。盗塁、犠打犠飛の高い数値を勝利に結びつけるためにも、得点圏に走者を進めた後の「あと1本」が欲しい。
 マツダスタジアムで7勝3敗(完封2)と相性の良さを見せたのは、やはり前田だった。
 前田が上位チームを本拠地で叩き、投手陣容が整備されれば、2010年の敗因は全て解消される。(スポーツライター・飯山満)

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