堀口の相手は、昨年の大晦日に『RIZIN.14』さいたまスーパーアリーナで対戦し、堀口のフロントチョークで敗れているダリオン・コールドウェル。この試合で、堀口はRIZINバンタム級王座の防衛に成功したが、試合後、コールドウェルは「ケージ(金網)なら同じ結果にはならない。今度はアメリカで再戦したい」と、リングで試合を行うRIZINではなく、得意としているBellatorの円形金網マットでのリターンマッチを要望していた。その後、RIZINとBellatorは日米の団体対抗戦を積極的に行っていくことで合意したため、今回は堀口がBellatorに乗り込み、コールドウェルが保持しているBellatorバンタム級王座に挑戦することが電撃決定した。総合格闘技界において、トップ同士の対抗戦は、負けた時のリスクが非常に大きいため、画期的なことである。
本編のオープニングマッチという位置付けでラインナップされた今回の試合は、堀口がリングアナから『RIZINバンタム級チャンピオン』と紹介されるなど、対抗戦ムード。MSGに集まった格闘技ファンも試合前から熱狂していた。序盤はコールドウェルがホームの意地を見せて、昨年末より堀口を翻弄していたが、UFCの経験がある堀口も金網での闘いを苦にせず、終始冷静な表情で、5分5Rという長丁場を優位のまま闘い抜いた。
判定の結果は3-0で堀口の勝利。堀口は史上初の日米総合格闘技団体2冠同時戴冠を成し遂げる快挙を達成。堀口を送り込んだRIZINの榊原信行CEOは「堀口恭司がMMAというスポーツ産業に革命を起こしました! MMAの歴史上初の2団体同時の現役王者となりました。このMMAというスポーツが、団体の垣根を超えて真の最強を決める時代を想像してみて下さい。胸踊り、血が騒ぎませんか? その時が必ず来ますよ!」と大興奮。堀口はRIZIN、Bellatorの2団体のベルトを奪取したことで、古巣のUFC世界バンタム級王者、ヘンリー・セフードとのドリームマッチが実現するのか、今後の展開が気になるところだ。
なお、RENAはリンジー・ヴァンザントと対戦したが、リアネイキッドチョークで落とされ失神。一本負けを喫している。
文 / どら増田
写真 / ©︎RIZIN FF