トム・ブラウンやインポッシブルがネタを披露する中、ルシファ―吉岡が女性と対峙するネタを披露した。彼のコントを観た劇団ひとりは、ネタの内容について、「フリの部分で浅はかな笑いを取らず……」と真面目に批評し絶賛する。続けて、「せっかくいい顔でボケているのに女性を隣に置いたことで、顔が横になっちゃう(視聴者に見えない)から、女性を前に置いた方がより良くなる」とアドバイス。ルシファ―も「確かに」といった表情で彼の言葉を聞いていた。
「今回は番組でしたし、劇団ひとりもボケ気味に語りましたが、裏では、本当にネタや方向性について、芸人の先輩や作家がアドバイスをすることがあります。もちろん、その人の人生ですから、押し付けることはありませんが、アドバイスを取り入れて売れていく……ということもよくあることです。有名な話ですが、ナインティナインは、養成所時代、矢部浩之がボケで岡村隆史がツッコミだった時期があります。講師を務めていた作家から“君ら逆や”と言われて、変えたところすぐに頭角を現しました」(エンタメライター)
“極楽とんぼの加藤浩次のアドバイスを聞いた芸人は売れる”と一時期囁かれたことがあった。ココリコが“ココリコボンバーズ”として活動していた頃に、“ボンバーズ”を取るように進言したり、おぎやはぎをWメガネにするようにしたり、ロンドンブーツ1号2号の田村亮には、金髪にするように指示したこともある。しかし、田村淳には、若者の代表のように売れるべく、首周りにタトゥーを入れるように話したことがあり、後に「それではテレビに出られない」と注意されていた。
「この他にも、土田晃之が若手時代に、周囲の芸人を助けることもなく、今以上に笑わずにテレビに出ていた時期があったそうです。そんな彼に、“そのスタンスじゃダメ”と注意したのが、同期のくりぃむしちゅー・有田哲平。そのアドバイスを聞くようになり、テレビの仕事が増え出したそうです。有田のアドバイスは、的確で評判も良いらしいのですが、番組収録の合間でのアドバイスは、ふざけているものも多く、“ためにならない”とクレームを言われたこともあります」(同上)
かく言う劇団ひとりも、コンビ時代にビートたけしから助言をもらった一人。ネタの作り方を聞いて感銘を受けたという。紹介したように、売れ方に正解がない分、先輩の助言をありがたいと感じる芸人は多いようだ。