夏の主役は譲れない。サマー2000シリーズの開幕戦はミヤビランベリが快勝し、夏男の面目躍如を果たした。
梅雨時の最終週のレースらしく、道中から馬場のいい外めを選んで進む馬が多いなか、割り切ったように経済コースを回ったグラスボンバーが直線いったんは完全に抜け出した。
しかし、ラスト100メートル。ボンバーの脚色が鈍ったところへ後続が一気に襲いかかる。ゴール前ではハンデ戦らしく横一線に広がる激しい攻防。そんななか、北村友騎手のムチに応えてグイッと抜け出したのは昨年の覇者だった。
「4コーナーでは手応えが怪しくなったが、直線はよく伸びてくれた。馬任せで乗ったが、差す競馬ができたし、だいぶ脚質に幅が出たね。57キロで力のあるところを見せられたのが良かった」と殊勲の北村友騎手。前走の目黒記念に続く重賞連勝を飾った愛馬に頼もしそうだった。
管理する加藤敬調教師も、「去年が53キロ、今年は57キロで勝ってくれた。1年間の成長を見てもらえたと思う」と胸を張った。
「精神面の成長が一番。馬に落ち着きが出たのが大きい。控えていけるようになったし、追って伸びるようになった。今日も直線ではじかれたり、きつい競馬だったが、よく我慢してくれた」
昨年は7番人気で気楽な立場での逃げ切りだったが、今年は1番人気での堂々の勝利。しかも、1番人気1979年から2004年まで、わずか1回しか優勝のない本命馬受難のレース。連覇も史上初と大きな2つのジンクスを打ち破ってのVだから、価値は高い。合わせてサマー2000シリーズ開幕戦で10ポイントを獲得。2年連続の王者へ向けても大きく前進した。
「馬の状態を見てからだが、この後は函館競馬場に入厩して、札幌記念を狙いたい」と指揮官。この勢いはまだまだ止まりそうにない。