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国税vsサッポロビール 酒税115億円円を巡る「第3のビール」バトル裏

 酒税115億円の返還を求め、サッポロビールが国税庁に法廷バトルを挑む!?
 そんな事態に「なぜだ」の疑問が渦巻いている。納め過ぎた税金は返還するのが当たり前。それなのに国税当局が、かたくなに拒否しているためだ。

 サッポロが2013年6月に投入した第3のビール『極ZERO(ゼロ)』はプリン体ゼロ・糖質ゼロをうたい、健康志向もあってたちまちヒット商品に育った。ところが昨年5月、国税から「第3のビールに該当しない可能性がある」と指摘されて販売を中止。7月から税率の高い発泡酒として再発売した経緯がある。
 その際、第3のビールでない場合との差額115億円と延滞税1億円を自主納税したが、その後の社内調査で「第3のビールに間違いない」との確証を得たとして今年1月、国税当局に返還を要請した。ところが、国税はこのほど返還しない旨を通知したのだ。

 関係者が首をひねるのは、その理由である。書面には返還に応じられない論拠が記されている模様だが、まだ双方とも明かしていない。
 「サッポロは国税の罠にはめられ、バカ高い税金を搾り取られたに等しい。当然、訴訟に踏み切るでしょうが、弁護士などとの協議が煮詰まっていないことを理由に公表していない。要は煮えくり返っている半面、まだ国税を刺激したくないのでしょう。一方の国税側は例によって『個別案件には答えられない』の一点張り。涼しい顔を決め込んでいます」(経済記者)

 115億円が戻るか戻らないかは、企業にとって死活問題である。親会社のサッポロHDは昨年12月期、追加納税が響いて純利益が3億4000万円(前期比96.4%減)にとどまった。もし国税を相手に返還訴訟を起こさなければ、逆に経営陣が株主代表訴訟の被告になりかねない。どの道、サッポロが法廷闘争に打って出るのは明らかだ。

 国税が返還に応じない“自信”の裏付けは何か。法曹関係者は辛辣だ。
 「国税は一度目を付けたが最後、トコトン追いつめる習性がある。現にサッポロは、一度はあっさりと115億円を納付している。その自信のなさこそが、返還に応じない最大の理由でしょう。むしろ国税はサッポロが『極ZERO』を発売した時点で“カモ”に据えた。これで法廷バトルを挑めば、彼らは本気でつぶしにかかりますよ」

 酷税、恐るべし−−。

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