巨人投手陣がパンク寸前だ。
現在、セ・リーグの貯金を独占し、首位を快走中。原動力はなんといっても投手陣で、チーム防御率は2.95と12球団で唯一の2点台を記録している。
だが、中継ぎ陣に頼るあまり、チームの完投数はわずかに1。これまでも救援陣の登板数の多さが懸念されてきたが、ついに綻びが出始めた。
クルーンが23日のヤクルト戦で、開幕前に負傷していた右手中指のけんしょう炎を再発。ケガの治療に専念するため、巨人移籍後初となる登録抹消となった。
自慢の中継ぎ陣にも陰りが見え始めている。24日の試合では越智大祐が2失点で負け投手に。25日は山口鉄也が1失点、豊田清は3試合連続失点と打ち込まれている。そのため、「お休みしてもらいました」(尾花高夫投手総合コーチ)と26日は休養にあてさせた。
勝利の方程式に依存したツケは先発陣にも回ってきた。巨人は今季先発ローテーションを5人で構成しているが、25日に先発した高橋尚成を外し、中継ぎ強化のため、急きょ2年目の古川祐樹を先発に昇格。原辰徳監督は「前向きな抹消です」と語ったが、先発の駒が1つ減ったことになる。
26日の中日戦は、先発陣の数が不足しているため、セス・グライシンガーが122球の完封劇から中4日で登板し、5回4失点でKO。その後、中継ぎ陣も打ち込まれ、0-8で今季初の完封負けを喫した。「マウンドに対応しきれず、ボールが高めに浮いてしまったのがすべて」(グライシンガー)と悔やんだ。
尾花投手総合コーチはグライシンガーについて「疲れが取り切れていなかった」と敗因を疲労と分析。中継ぎ頼みの反動を中日との3連戦で露呈してしまった。
「ファンの人たちに申し訳ない。2度とこういう試合にならないような戦いをする」(原監督)と、今回の敗戦を教訓としたようだが、先発陣の頭数がそろわなければ、救援頼みの現状を打開することはできい。
今後はあす28日の広島との3連戦を皮切りに、移動日を1日挟んで9連戦のハードスケジュール。交流戦前、最大の山場であるゴールデンウィークで、貯まった貯金をすべて吐き出しかねない状況だ。