目下、リリーバーとしても目覚ましい結果は出していない。
「マテオが不安定なので、藤川はリリーフで使わざるを得ないでしょう」(ベテラン記者)
藤川の4季ぶりの帰還が決まったころから、金本知憲監督(48)の口ぶりも“曖昧”だった。「先発で使う」と言った後、「先発で調整しておけば、途中でリリーフに配置換えされても投げられる。リリーフで調整していたら、先発はできないし」と付け加えていた。
「金本監督は『藤川がどれだけ投げられるのかまだ分からない』とも言っていましたが、その言葉の通りでしょう。2年連続セーブ王の呉昇桓を失い、新加入のマテオがどれだけ投げられるのかも分かりませんでしたし」(プロ野球解説者)
しかし、序盤戦の先発でのピッチングを見て、「先発ローテーション投手としてやってくれる」と思ったファンも多かったはず。先発・藤川が通用しなかった理由を、先のプロ野球解説者がこう分析する。
「メジャーに挑戦する前の藤川は150キロ強のストレートを投げ、ボールが浮き上がってくるようなスピンが掛かっていました。もうちょっとでいいから、ボールのキレが戻ってくれば…」
マテオが復調したら、藤川を先発に戻すという単純な配置転換にはならないようだ。
藤川のこれまでの記録を調べ直してみたら、興味深い結果が出た。
若手時代の藤川は先発登板もしている。過去5回、本拠地・甲子園球場で先発しているが、勝ち星は1つも挙げていないことが分かった。
02年7月28日 5回3分の1 3失点「●」
同8月3日 6回 無失点「-」
同8月30日 6回3分の0 3失点「-」
同9月23日 7回 3失点「●」
同10月6日 4回3分の1 7失点「●」
今季も甲子園球場で先発としての勝ち星は挙げていない。リリーバーで覚醒したとはいえ、15年を迎えるベテランが「本拠地での勝ち星ナシ」なのだ。チーム事情もあり、藤川はリリーバーを続けていくことになりそうだ。甲子園で勝てないデータを見てしまうと、先発で再調整してほしいと思うのだが…。