これにより、業種を問わず客引き行為や従業員をスカウトする“声かけ”もアウト。指導に従わない悪質業者は違反者の名前や店名が公表され、5万円以下の過料が課せられる。
地元商店街では「何もかも一緒にされては困る」との声もあったが、橋下徹市長は「客引きはマイナスの面が大きいので賛否はあっても厳しく取り締まる」と押し切った形だ。
果たして施行日を目前に控えた街の様子はどうなっているのか。
夕方の道頓堀は相合橋。つい1カ月ほど前には、あれほど多くいた「お兄さん飲み屋どうですか?」の客引きが、その日は完全に姿を消していた。
「この前、“最後の大掃除”とか言うて、警察が一斉指導をやってました。中には抵抗して連れて行かれた子もおって、そんなんで客引きは根こそぎ消えてなくなりましたよ」(飲食店店主)
ただ、一歩裏通りに入るとそれらしい人影が。どうやら条例を独自の解釈で乗り切ろうという動きも出ているようだ。
「新しい条例は、客引き行為は禁止しているが、ティッシュやチラシの配布までは禁止していない。とにかく通行人の足を止めさえすればええ。あとは話の成り行きよ」(黒服)
いわゆる「案内所」に活路を求める動きもある。
「風俗店の案内所はあかんけど、飲食店案内所ならオーケーやろ。仲間で飲み屋の案内所を作って、その前で客引きやったらええわけや」(ガールズバー関係者)
さらに女性従業員からは、こんな声も。
「逆ナンでやったらええねん。『飲みに行こう』『ちょっと店付き合って』。これなら問題ないやろ」
イタチごっこは続きそうだ。