今年のSG競走では、総理大臣杯と笹川賞のエンジンが悪く、前回のグラチャンでも、前検段階では「うーん」と首を傾げた吉川元だったが、そこは早めの大整備で、着実に立て直し、最後は優勝戦までこぎ着けた。そして今回だ。
「そこまでは悪くないと思いますよ。グラチャンの前検は明らかに下がっていたけれど、今回は急いで整備しなければならないほどのアシではない」
まだ回転の上がりが物足りなく、本領のスタート攻勢をかけるに足る行きアシには達していない様子。しかし、記者の見てきた中でも、前検に限れば、このオーシャンカップに最も余裕を感じる。初日はドリーム戦の1回走り。たっぷり調整して臨むことができる。予選は1度しか回ってこない1号艇だ。ここで1勝が当然のノルマだ。
同じ兵庫支部の魚谷智がジカ外に来た。エンジンの数字は吉川と2人が悪い。しかし、十分に水準クラスだ。
「平和島のダイヤモンドカップと同じプロペラで特訓しました。あのときもマアマアいってたし、今回も悪くはない。整備員さんは出てないエンジンといっていたけど、そんなことはなかった」
昨年は、桐生のオーシャンカップ→当地のモーターボート記念と連覇して、夏の主役をひとりで張った。今年はイマイチ弾けていないが、だからこそ「大きいことをいえる立場ではない」とチャレンジ精神を押し立てていける。吉川との同支部ワンツーとなるか。
エンジン的に安定している松井繁、湯川浩の大阪勢が一角崩し。特に松井には「江戸川大賞」の経験。不気味だ。