評判通りの強さだった。「ちょっと仕掛けただけ。まだまだ伸びしろはあるし、距離も二千まではいけると思う」と田中勝騎手はニッコリ。
一方、斎藤誠師も「体がまだまだ緩いから、さらなる上積みが期待できるよ」と将来を嘱望する。「馬の状態を見ながらだけど、今後は距離を延ばしていきたい。それなりの路線にいくつもり」今後については未定だが、大きなところを狙える器であることは間違いない。
同日のダ1300m戦は、6番人気のマルサンサイレンス(牝、父エイシンサンディ、母レディクイック=美浦・谷原厩舎)が制した。勝ち時計は1分21秒3(良)。
直線先に抜け出したブルーラヴに馬体を併せると、しぶとく伸びて2馬身差の完勝。手綱を取った木幡騎手は「ケイコではスタートが良くなかったから、無理して好位につけた。(距離は)もう少し長い方がいいと思ったが、よくこなしてくれた」と高い評価を与えた。
谷原師も「カイ食いが細く馬体がギリギリだったけど、今日は落ち着いていたのが良かった」と満面の笑み。さらに、「芝でもいけるタイプだと思う」と芝路線での活躍も見込んでいる。今後は馬体の維持がカギとなりそうだ。次走は未定。
13日(土)の芝1800m戦はダノンインスパイア(牡、父アドマイヤベガ、母ブゼンキャンドル=美浦・加藤征厩舎)が、堂々1番人気に応えて快勝した。勝ち時計は1分52秒6(良)。
「来週は、もっと走る馬がいる」。1週前の7日に、フジヤマラムセスが新馬勝ちした際、加藤征師はそう宣言。まさしく“公約”を果たした格好だ。
スタートで出遅れた時は、ヒヤリとさせられた。田中勝騎手も開口一番、「まるっきり出て行かないので、焦ったよ」と苦笑い。それでも、あっさりとビハインドを跳ね返してしまったのだからすごい。
「道中はリズム良く走っていたし、最後は(闘争心を引き出すために)馬を寄せていった」と振り返る田中勝騎手。「力があるね」その一言に実感がこもっていた。
母ブゼンキャンドルは秋華賞(1999年)を優勝した名牝。516kgと雄大な馬格にも恵まれ、前途は洋々としている。