直線の入り口で早くも先頭に立ったマツリダゴッホ。グランプリホースの底力でそのまま押し切るかと思われたが、外から一気に伸びてきたタスカータソルテが、一完歩ごとに差を詰める。関東を代表する蛯名、横山典両騎手による叩き合いはゴール寸前、クビ差交わした後者に軍配が上がった。
引き揚げてきた馬上で両手を挙げ、バンザイのポーズで喜びを表現した横山典。「淀みない流れで面白い展開になったね。楽しかったよ」と口ぶりも滑らか。「函館記念(7着)は久々でモコモコしていたが、今日は返し馬から元気が良かった。最初からじっくりためていくつもりだったんだ。相手(マツリダゴッホ)には以前、ボクも乗ったことがあるし、直線は(交わせるか)どうかと思ったが、向こうは休み明けで、こちらは使っていた馬。最後はその強みが出たね」
管理する藤原英師も「うれしいのひと言やね。当初からここを目標にしていたし、牧場と相談しながらチームワークで仕上げてきた成果が出た」と満面の笑み。「函館記念を叩き台に状態は良くなっていた。横山典騎手が2度続けて乗れたのも良かったし、小回りコースも合っていた。展開も向いたし、すべてがパーフェクト」
この後はいったん函館競馬場へ戻して、社台ファームへ放牧に出される。気になる次走については「オーナーと相談してから」と明言は避けたが、「あの最強のマツリダゴッホを負かしたわけやからね」とニヤリ。秋の天皇賞(GI 東京芝2000m 11月2日)が最大目標になりそうだ。