29歳の徳田和嘉子副社長が6月25日付で『クロスエフエム』(本社・北九州市)の社長に昇格。これまでの立石寿雄社長は会長に就くことになった。
立石氏が投資ファンド・ネクストキャピタルパートナーズ社長兼務で非常駐のため、徳田副社長が専任社長になる。
では、いま話題のアラサー新社長とは、どういう人物か。
「徳田氏は茨城県出身で、東大法学部出身。在学中に書いた『東大生が教える!超暗記術』を出し話題になったこともある。美人だが気取らず、どこにでもいるようなアラサー熟女という評判。民放連によると20代の社長は聞いたことがない、と驚きの声を上げている」(民放連関係者)
それにしても、なぜ徳田氏が社長を務めるようになったのか。それは、前身であるエフエム九州の経営破たんが関係している。
'08年5月、エフエム九州は、'07年度決算が6億円の債務超過となる見通しとなり、経営再建が困難になった。そのため、別会社に事業を譲渡して清算することを決断した。
新旧分離方式で、投資ファンドのネクスト社が受け皿となり『クロスエフエム』と社名変更した。
徳田氏とのかかわりだが、同氏は'08年にゴールドマンサックス証券に入社。'11年にネクスト社に移籍。'12年4月に投資会社からクロスエフエムに派遣され、9月から副社長を務めていた経緯で、今度は社長を引き受けることになったのだ。
では、20代社長に再建は可能なのか。
ちなみに、同社の'13年3月期決算は売り上げが4億6200万円で4期連続の減収、経常利益は1900万円で3期ぶりの増益、当期利益が400万円で、4期連続の減益となかなか厳しい財務内容である。
「決算的には黒字だが、コミュニティFM局をとりまく環境はかなり厳しい。赤字局が目立ち、中には破たんする局も少なくない。再建には時間がかかります」(放送業界事情通)
新社長の手腕に期待したいところだ。