まず、17日から全国の約2800店でプライベートーブランドの食品や日用品などの100品目を値下げしたイオングループ。広報部の栢野博子氏は「お客様の日々の生活の商品についての価格志向というのは、依然強いと私たちは考えております」と客が価格をシビアに見定めているため、値下げに踏み切ったと説明する。
「値下げは脱デフレに逆行するのではないか?」という質問には「日々使うものは価格で還元しながら、新しい価値を提供できるものも、一方で開発を進めています」と話し、高くても買ってもらえる商品の開発にも積極的な姿勢があるようだ。
また、マクドナルドでもカフェラテSサイズを200円から150円に値下げ。コンビニコーヒーへの対抗策という側面だけでなく、ランチタイム以外でも客を呼び込むための狙いがあるようで、日本マクドナルドPR部の當山心氏は「お得な価格でこのおいしさを体験していただいて、バーガーや他の商品を知るキッカケにさせていただきたい」と口にした。
スタジオでは「この各社の値下げの動きですけど、脱デフレに逆行する流れと見ていますか?」とA.T.カーニー日本法人会長・梅澤高明氏に質問。梅澤氏は「必ずしも(そうではない)。一社一社それぞれ取ってる戦略が、結果的に低価格戦略になっているということで、世の中広く見れば、逆に値段を上げてプレミアムゾーンで戦っている会社も少なくない」と戦略として値下げを行っているだけなので、脱デフレに逆行した戦略ではないと語った。
イオンのように価格を下げてもキチンと売り上げを出せる企業は少ないだろう。政府主導で国民の消費を促すような政策に取り組まないと、デフレを脱却するのは難しいのではないか。