さて、ウェルズの火星人はタコのような姿だったが、後年にアメリカで「火星人が捕まった」とする写真が撮影されて話題になった。1954年にアメリカの新聞で公開された「火星人」の姿が記事の写真だ。大きく膨らんだ坊主頭に、一本の太い足。地球の大気に順応できていないのか、口からチューブのようなものが出ておりどこかにつながっている事が解る。両脇を軍人らしき人物が固めており、有名な「捕まった宇宙人」のような構図だ。しかも火星人や隣にいる人々の影は何ら不自然なところがない。これは本当に火星人もとい宇宙人だったのだろうか。
実は、この写真は実際の写真に手を加えたフェイクだった。傍らにいる軍人が幼い息子や友人らと一緒にいるところを撮影したものに加筆し、奇妙な頭にしたり足を一本に見せかけたりしたのだ。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所