「神村容疑者は昨年3月31日午前2時半ごろ、相模原市に住む女子大学生(21)の自宅マンションに侵入。就寝中の女子大生を殴って手をタイツで縛り、バスタオルで目隠しした上、『殺すぞ』と脅して暴行に及んだ。小田急線相模大野駅周辺の同市では、6年ほど前からマンションのドアノブを片っ端から回し無施錠の部屋を狙う同様の犯行を10件近く把握している。現在、実家が一連の現場付近にある神村容疑者との関連を調べている」(捜査関係者)
神村容疑者は小学校低学年時にサッカー留学し、高校時代は三菱養和SCユースに所属。'10年に専修大学を卒業後、J2水戸ホーリーホックやJ3町田ゼルビアなどで主にフォワードとして活躍し、'13年末に引退。現在は埼玉県内の病院に勤めていた。
それにしても、薬物使用や暴行、脅迫に万引きと、時折起きる現役や元Jリーガーの犯罪。この事態に苦言を呈するのは、日本サッカー協会の釜本邦茂氏だ。
「今回の事件で一番悪いのは、もちろん彼自身。元Jリーガーとしての自覚も誇りもなさ過ぎます。しかし、Jリーグは長くやれてもせいぜい10年。引退してからの方が長いのだから、選手のセカンド・キャリアに関しての指導をもっときっちりやるべきです。それを怠るから、プロとして満たされない思いのまま引退した選手の中に、罪を犯すやつが出てくるわけです」
さらに釜本氏は、J3の存在自体にも疑問を投げかける。
「そもそも本当に必要なのかとも思います。プロとはいえ、アルバイトなど副業をして食い繋がなくてはいけない場合も多い。そこまでしないと選手としてのプライドが維持できないというのなら、そんな環境が果たしてプロと呼べるでしょうか。プロはJ1、J2があればそれで結構。それ以下はJ3ではなく、社会人のチームでやらせた方が選手のためになると思います」
毎年、保険会社などが調査、発表する「子供がなりたい職業」の1位は、サッカー選手。受け皿ばかり大きくなったプロサッカー界の責任は重い。