この番組は、KinKi Kidsが司会の音楽バラエティ番組『LOVE LOVE あいしてる』と、「めちゃイケ」こと『めちゃ×2イケてるッ!』と当時のフジテレビの人気バラエティ番組のコラボ企画だった。テーマとしては「笑いと音楽の融合」が掲げられていた。
夜の11時にスタートした番組で岡村は、ニューイヤーのスタートと同時にお台場で行われるファンラン(5キロのミニマラソン)へ参加し、1位を獲得すると宣言。できない場合は、罰ゲームとして千葉県の犬吠埼で寒中水泳が行われることになった。
いざスタートするも、人が多すぎて岡村は1位は獲れずじまいであった。ただ、ゴールを突っ切って走り出してしまう。最初は不思議がっているメンバーだが、VTRを見返すと「マラソンで1位を獲る」と宣言していた。岡村は42.195キロのフルマラソンに挑戦しているのだと気づく。そこから岡村の深夜の独走が始まる。
沿道には、コースを察知した視聴者が次々と殺到し、中継に映り込もうとして現場はパニック状態に。そこでは、当時タモリのマニアックものまねで人気を博していたコージー冨田などが応援に駆け付け、ネタを披露するのだが、音声トラブルで放送に流れなかった。岡村は後に『オールナイトニッポン』(ニッポン放送系)で、「コージーさんのネタむっちゃおもろかった」と後日談を披露すると、同時に殺到した素人の中には「むっちゃシバきたい奴がおった」と怒りを露わにしている。
この番組では、「めちゃイケ」テイストの作り込んだコントが生放送で次々と繰り出された。「笑いと音楽の融合」を目標に、「負けないで」「サライ」が流れたと思ったら、岡村が間違って日本武道館へゴールしてしまう場面も見られた。「めちゃイケ」は番組終了後に「細かい台本がある」とよゐこ濱口が暴露し話題となったが、この番組もきっちりとタイミングが計算されていたと言えるだろう。
何とか武道館から引き戻し、番組の放送時間である朝の5時半までに岡村はお台場に舞い戻った。当時の岡村の年齢は29歳。翌2000年には30歳となる年だ。20代最後の年に挑んだ体力勝負の企画であり、年明け2020年に50歳となる岡村には、こなせない企画ではないだろうか。まさに奇跡の一夜だったと言えるだろう。