木村拓哉演じる型破りな検事・久利生が奮闘するドラマ『HERO』(フジテレビ系)の事だが、今回は文部科学省とタイアップ。久利生よろしく型破りのドラマとなった。
かつて「視聴率男」と呼ばれた木村も最近は前主演ドラマ『安堂ロイド』(TBS系)の平均視聴率12.8%を見ても分かるように低迷。ドラマ不況とはいえ、ここら辺で再ブレークしなければ木村自身、俳優としての商品価値が下落する事になるのだ。
「さすがに今回は木村も相当な覚悟で臨んでいます。これまで“視聴率男”と呼ばれており、本人も自負していた。それが『安堂ロイド』で失敗した。これはかなり堪えているみたいです。あとはフジテレビの不振とごく一部を除いたドラマ番組の低調が木村を“その気にさせた”。自身の名誉挽回は低調なドラマ番組と不振のフジテレビを“復活”させる道標になると考えた」と、テレビ関係者が指摘する。
実際、“視聴率男”という点について自身は相当なプライドを持っている。7月に緊急発売された書籍『俳優・木村拓哉の守護霊トーク「俺(オレ)が時代(トレンド)を創る理由(わけ)』(幸福の科学出版刊)で木村の守護霊が本人に代わりインタビューに対応。その中で、数字(視聴率)が取れる俳優としての心得をこう語ったのだ。
《俺の場合は、“ナルシスト”の部分が、実は「蜜」になっている。ある意味で、ほかの人ができないことをやっているというところが、蜜なんじゃないかなと思うね。》
一方、今作はフジテレビにとっても「社運」を懸けたドラマ。13年ぶりのヒットドラマを復活させた背景は「絶対に、失敗は許されない」という局の危機感が表れている。木村ひとりに「おんぶにだっこ」という悠長な事は言っていられないのだ。
「何をやっても不発のフジテレビにとって、木村は最終兵器に近い存在です。木村もその辺は理解している様で、これまで06年の特別編、07年の映画版はOKしましたが、連ドラは固辞していた。それを13年ぶりに“解禁”したのは木村が覚悟を決めたから。CX(フジテレビ)も“それならば”と覚悟を決めたのです」(スポーツ紙デスク)
勿論、フジテレビも用意周到。文科省とタイアップして『HERO』を(小中学生を対象とした)道徳教育に対する理解・普及を図る「生きた教材」にしたのだ。
過日、行われた制作発表現場には文部科学大臣が登壇。木村を筆頭に共演者、スタッフを労った。「ドラマの制作発表が大臣の公務に入るって、すげえドラマだなと思います」と木村を言わしめた程だ。
守護霊が明かした様に《ほかの人ができないことをやっているというところが、蜜なんじゃないかな》は紛れ様も無い事実。フジテレビの社運をかけた『HERO2』は、木村にとっても今後の俳優人生を決める一作になるのかもしれない。