当日は舞台挨拶開始直前まで雷雨という悪天候でありながら、会場はファンで満席に。桃井は「朝みたら雨ギョッとしましたよ。本当に1人1人にキスしたいぐらい。長いこと芸能界にいてよかった。感動しました」と感無量な様子で語った。
約10年ぶりの監督作となる同作だが、自身を主演に置いた理由については「桃井かおりを使うのは一番リーズナブルだったんですね。他の女優を誘ったけど断られたのもありますけど」とコメント。スケジュールや予算の都合もあり、わずか10日間で撮影を終えたということで「本番は1回しかやらないとか、諦めなきゃいけないこともいっぱいありましたし、やれるだけの実験はしました」と振り返った。
また、中村氏は撮影開始時、桃井が主演だということを知らなかったそうで「『桃井さんだったの!?』ということになって(笑)」と話し、「僕の原作の本質を捉えているのに、映画は100%桃井さんの世界観です。矛盾しているかもしれないけれど、小説が映画化されるときの奇跡を感じた」と評した。
この日桃井は、「なんでも聞いて」と笑顔で報道陣の前で話していたが、SMAPの解散報道に話が及ぶと「それは全然答えたくない、ごめんなさい。そっちの方へ(話題が)行っちゃうから」とキッパリ。また、監督として使ってみたい俳優についての質問で、木村拓哉の名前が報道陣からあがったが、その時も「あー、それは触れたくない。もう心が痛くて」と返したのだった。(斎藤雅道)