固定観念ほど怖いものはない。父テンビー、母父オジジアン。加えて「いかにも短距離向きの体型で、仕上がり早のタイプでしたから」と鈴木助手。どんなに一流の相馬眼を持つ調教師でも、これらのファクターを見れば、短いところでせこく賞金を加算できれば(?)という思惑にかられるに違いない。
しかし、得てして競馬というスポーツは、人間の思い通りにならないことが多い。新馬(ダ1000m)6着→2戦目(芝1200m)11着。「決め付けはよくない。サンツェッペリンがそれを教えてくれました」と鈴木助手は振り返る。
中距離に舞台を移してからの活躍ぶりは言わずもがな。(1)(2)(5)(2)(1)着の安定感だ。前走(京成杯)では開業から約7カ月の新鋭厩舎に初重賞をももたらしている。
前走後はいったん弥生賞を視野に入れらていたが、ひと頓挫(熱発)があり回避。ただ、「乗り出してからは順調そのもの」と心配はなさそう。7日も南Wコースで5F67秒0、終い12秒4を計時。「先週より確実に良化しています。とにかく。大人びた馬。不安な点はありません」と鈴木助手は自信を持ってトライアルに挑む。