島田弁護士「濱田さんの意に反して舞台を決行することは、濱田さんの原作に対する翻案権(舞台化して上演する権利)を侵害しています。また、濱田さんが納得できないほど内容が変わっているのであれば、同一性保持権を侵害していることになります。ですので、濱田さんは、舞台主催者に対して舞台を差し止めることを求めたり、損害賠償を請求したりすることができます」
一部朝刊スポーツ紙によると、代理人が5月中旬に濱田氏、代理人、原案著書「日本一ヘタな歌手」を出版した光文社の担当者、制作会社代表で演出家の甲斐智陽氏の4人が会ったことを明かし、不本意ながら舞台化もやむを得ないという認識だったとコメントしている。この証言だと、制作者側が一方的に押し進めたという解釈は成り立たないかも。だとすると、代役を立てて舞台をやるという可能性もあながちないとはいえないのでは?
もしくは制作者側が原作とは別作品だとして決行したとしたら…
島田弁護士「主催者側が『別の作品だ』と言い張るだけではダメで、舞台を見た人が、元の作品を思いつくことがないほど内容が変わっていることが必要です」
これだけ騒動になった舞台だけに観客側としての目は厳しくならざるを得ないもの。やはり強行された場合は原案著者は舞台制作者を著作権的に訴えることができそうだ。とすると、損害賠償額はいくらくらい?
島田弁護士「損害賠償ですが、なんと、舞台によって主催者が儲けた金額を請求できることもあります。ただし、全額とまではいかないことが普通ですが。いずれにせよ、ちゃんとスジは通さないといけませんね」
当初の報道では、制作者側弁護士が損害額を3000万円程度と算出していた今回の騒動、はたして訴訟合戦になるのだろうか。
【弁護士プロフィール】
島田さくら(しまだ・さくら)弁護士
大阪大学大学院高等司法研究科卒業。司法修習第65期。東京弁護士会所属。
元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられるなど、過去のオトコ運の無さからくる、波乱万丈な人生経験をもとに、悩める女性の強い味方として男女トラブル、債務整理、労働問題などの身近な法律問題を得意分野として扱う。また2級知的財産管理技能士の資格も有する。家庭では1歳の男の子の子育てに奮闘している、シングルマザー弁護士。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/