藤川 秋のGIシリーズも佳境に入ってきて、今週はジャパンカップダートとジャパンカップ。まず、今年は外国馬3頭が参戦のJCダートから皆さんの話をうかがいたいと思います。その前に、皆さんの思い出をお聞きしたいと思います。
橋本 JCダートは歴史が浅いこともあって、強烈なインパクトがないんです。7回やって日本馬が6勝。それほど強い外国馬は来日してないということなんでしょうか。馬券も取ったっていう記憶はないですね。
藤川 じゃあ、思い出が薄いということ?
橋本 全体の印象として日本馬が強いということかな。
藤川 なるほど。飯田さんの思い出は?
飯田 4年目ですが、フリートストリートダンサーでしたっけ?印では対抗にしたんですけどね。アドマイヤドンが本命でしたが、まあ、半信半疑のところがありましたね。アメリカでは大した成績をあげていないのに、アドマイヤドンを負かして勝った。このクラスで勝ったんだから、アメリカの本当に強い馬は本当に強い競馬をしてくれると思いました。
藤川 それではアベコーさん。
アベコー ダートはアメリカが強いって飯田ちゃんが言ったけど、合田さんが絶対に負けないって言った馬でも負けてしまったことがあったよね。なんでしたっけ?
合田 リドパレスです。
アベコー そう、リドパレス。合田さんが絶対に負けないって言った馬が負けたのを見た時、僕もああーって。世界のトップを走ってる馬でも負けちゃうんだあ…って。
藤川 やっぱり、アメリカとはダートの質に違いはあるんですかね?
谷中 合田さんは向こうの競馬を見ていらっしゃるけど、砂の質ってどうなんですかねえ 乗ってる方でも気になるんですよ。
合田 全然、違います。これまでアメリカでの実績が反映されていないのは砂の質がまったく違うからだと思います。
谷中 騎手が浴びる砂は向こうでは泥みたいな感じ。日本は砂っていう感じですけど。
合田 アメリカのダートは雨が降ると時計がかかっちゃうんですよ。走りにくくなる。
谷中 日本の砂の質はわかるんですけど、外国のは違いますから。聞いた話ですけども、向こうはすごく力が必要だといいます。
アベコー じゃあ、日本のダートは軽いってことかな。リドパレスが負けた要因は体調もあったのかなあ。
合田 その両方だと思います。
藤川 アベコーさんはリドパレスを買ったんですか?
アベコー 合田さんに買わなきゃだめだよーっていわれて(笑)。リドパレスがどこまでやれるのかを見たかったんだけど、結果はあれーって。合田のヤロー、どこみてんだって(笑)
合田 JCダートの一番の思い出が、合田このヤローですか?(笑)
アベコー まあ、次はリドパレスの張本人、合田さん。
合田 デットーリのイーグルカフェ。後方一気しかできない馬が道中で折り合っていたじゃないですか。こいつ、すごいなって思いました。
藤川 それだけデットーリ騎手は違うんですかね?
谷中 もうすごいというか、マネできないですね。もう動物なんですよ、彼は。彼の感覚というか、すべてが馬と合っちゃうんです。
合田 あの人のひじの動き方とか見てると変ですよね。
谷中 そう、違うんですよ。デットーリの体の関節、筋肉の動きというのは同じジョッキーの中でも次元が違うんですよ。
飯田 あれをマネしようとしてもできない?
谷中 できないですよ。僕もJCダートの思い出といったらデットーリなんですけど、馬ではフリートストリートダンサー。道悪でアドマイヤドンを差し返したんですよ。あのコート騎手の乗り方もすごかった。
飯田 最後に藤川さん。
藤川 やっぱりクロフネです。圧倒的な強さでした。
アベコ 馬なりで7馬身。
谷中 馬なりでGIを勝ってみたいですね。よっぽど気持ちいいんでしょうね。時計もすごかった。
アベコー まあ、ダートで走る馬はある程度、芝でも走らなきゃね。
飯田 クロフネも最初は芝で活躍してましたからね。
谷中 過去に遡ればホクトベガもね。
藤川 さて、外国から今年は3頭参戦ということで、合田さんに解説を頂きます。
合田 スチューデントカウンシルっていうアメリカ馬が、これまできた馬とは使われてきた過程が違うんですよ。以前は芝、ダートしかなかったけど、今は人工馬場(ポリトラック)が導入され、そこで出世した馬なんですよ。過去にきた馬とは違うんで、見直してみたいと思うんです。この夏から強くなったんですよ。人工馬場で初めてGIを勝った馬です。で、なおかつ前走GII勝ちの競馬場は日本に似た砂といわれてるんですよ。馬はフリートストリートダンサーに似て、でかいんですよね。この馬で今年こそはと。
飯田 パシフィックを制してるから、ジャパンカップダート勝ったら100万ドルが贈られますよね。
合田 あとの2頭なんですけど、過去ヨーロッパからきた馬は2ケタ着順なんですよね。しかし、この2頭は過去にきたヨーロッパ馬とは違い2頭ともドバイに行って勝っている。だから今までよりかはレベルが高いと思います。
藤川 ドバイですか!
合田 ジャックサリヴァンはドバイワールドカップで4着でしたが、その時の6着がアジュディミツオーなんです。
藤川 この2頭を比べるとどちらが強いですかね
合田 ダートではジャックサリヴァンです。馬インフルエンザの影響で検疫が白井ではなく関西の三木になるかもしれないということになった。三木なら辞退するという陣営が続出する中、ジャックサリヴァン陣営は三木でも絶対に日本に行くといってたんです。それだけ自信があると。
藤川 3頭の中で一番時計を持っている馬は?
合田 キャンディデートです。この馬、先行馬なんで自分で競馬つくれますね。
藤川 逃げるっていうことですか?
合田 行きます。逃げることが多いです。今年ハナを切りそうな馬、あんまりいないんで。
藤川 それでは展望の方へ。
橋本 合田さんの話を聞いてスチューデントが気になったんだけど、惑星、新星という意味ではドラゴンファイヤー。確実に追い込んで勝ち切るし、4連勝中。実績とか格では落ちるけど、力をつけている。
アベコー レベル的には今年の日本馬は低いよね?
飯田 ヴァーミリアンをどう評価するか。この馬も芝で勝ってるし、JBCもデキが悪いと思ったけど、直線突き抜けたのを見ると、去年より状態はいい。
アベコー ヴァーミリアンは前走2分4秒8で勝ってるけど、大外回ってコースロスをうけたサンライズバッカスやブルーコンコルドの帝王賞のタイムの方が速いことから、ヴァーミリアン絶対説はないかなと思うよ。
谷中 ブルーコンコルドは何か物足りない。本当に強い馬なんですけど。
飯田 僕はメイショウトウコンが気になる。
橋本 前走は圧勝ですからね。
飯田 あとドラゴンファイヤーにも注目している。休み明けでも走るし、上位にきてもおかしくない。
藤川 ドラゴンファイヤーは怖いですね。
谷中 フリオーソの評価はどうでしょう?
藤川 内田博ジョッキーが乗りますけど。
アベコー ダメでしょう。3歳ならケタ違いじゃないと。3歳世代は牡馬は弱いでしょ。牝馬は強いけど。だからサンライズバッカスだね。
藤川 東京は強いですよね。フェブラリーSを勝ちましたから。
アベコー JBCは大外回って3着。それに絶好調のアンカツが乗るでしょう。
谷中 きたらGI3連勝だしなあ。
飯田 サンライズバッカスは前走も前々走もデキが良くなくて、今回も相当変わってこないと…。
藤川 雨降ったら、どの馬ですか。
谷中 スチューデントなんか強いんじゃないかな。
橋本 合田さん、スチューデントは大丈夫?
合田 乾いてほしいと思う。
藤川 ペースの方はどうなりますかね。
アベコー あわてて行きそうな馬はいないよな。
谷中 スチューデントの騎手はどういう人?
合田 アメリカ屈指の頭脳派で、アメリカの騎手の中でただ一人シェイクスピアを全部読んでます(笑)
谷中 僕は漫画しかよんでなかったですよ(笑)
藤川 今年乗れるとしたら、どの馬に乗りたいですか?
谷中 ずっといってるスチューデントかな。気になってしょうがないです。
藤川 フサイチホウオーに関しては?
アベコー フサイチホウオーはペリエが乗りますからね。
橋本 いきなりGIはきついんじゃないかな。
藤川 荒れそうですかね。まとめを。
アベコー 地の利がある日本馬が有利だと思うけど、外国馬も差はない。馬インフルエンザがあったから海外からはこないと思っていたけれど、それでもくるというのは自信があるからだと思う。
飯田 例年ならヨーロッパからくる馬は無条件に消しでしたけど、今年はそうもいかないですかね。