これで被告の無期懲役が確定し、「めでたし、めでたし」と言いたいところだが、そうはいかないのが喜納の事件である。この男にはまだ犯行が疑われる2件の女性変死事件があるのだ。
これは、いずれも新発田市内の20代の女性が変死していた事件で、13年9月の深夜に車が燃える火事があり、その中から当時24歳の女性の遺体が発見された。その事件の微物採取で、喜納と一致するDNA型が検出されているのだ。
また、その翌年4月には、白骨化した当時20歳の女性の遺体を市内の川で発見。近くにあったこの女性の軽自動車内を調べたところ、ここでも喜納と一致するDNA型が見つかったのだ。
しかし、喜納はいずれの事件についても「身に覚えがない」と関与を否定している。喜納を有罪にできるだけの証拠がなければ、一事不再理という法の規定があるし、「無罪」になってしまう公算もある。それだけに慎重を期さなければならないのだが、もしこれらの事件も喜納が関与していたとすれば、死刑になっていた可能性も高い。
ちなみに、喜納が死亡させたと認められた1人の被害者が見つかった現場は、この2つの未解決事件現場と、目と鼻の先だった。