同じく29年続いたお昼の看板番組『笑っていいとも!』も、同様に今季で終了するのではという噂が囁かれている。理由も『水戸黄門』と全く同じでやはり背景には視聴率の低下があるとされている。
前者2つは各局の看板とも言っていいほどだった人気の長寿番組であったが、今季はこの2番組を含めても視聴率低下で今後を心配されているドラマや番組が何本もある。
色々な特番が強いためか、はたまた出かけていてテレビを見ない人が多いせいか。「夏ドラマ」は以前から全体的に視聴率が低い傾向にあるが、人気俳優を主演に据え、若手実力派で脇を固めても視聴率が下がってついには一桁になるようなケースが続出しているのだ。特に今回のドラマは何れも高視聴率を期待されていた物が多かった割に、ふたを開けてみれば微妙な出来。前シーズンに『JIN』や『マルモ』といった大きな話題をさらったドラマがあったせいか、今回は『話題先行型』のドラマがやけに多く感じるのである。
実際、視聴者だけでなく様々なドラマの裏側で、「この先やばいのでは…」「打ち切りか?」等と囁かれているとも聞く。
連続ドラマなどが先の展開を残しつつも途中で終了してしまう、『打ち切り』。打ち切りには色々な要因があるが、原因として一番多いのが人気の低下による打ち切りだろう。視聴率の測定は、その番組の人気を計るのに一番単純かつ最適な方法であるが、打ち切りになる番組の基準は俗にキー局での平均視聴率が『10%未満』、局と番組によっては『6%未満』との説がある。
前述した長寿番組の場合はマンネリ化という課題と闘わなくてはならないが、新番組の場合は内容や展開、構成を検討した上で番組制作を行っているのだ。
今季のどの番組も、まだ始まって2〜3回しか放送されていない、否定的な結論を下すにはまだ早いという意見もある。しかし、ほんの数話で視聴率が急降下したり、低いまま横ばいを続けるのはやはりどこかで問題があるとしか言えないだろう。
また、番組の内容を充実させようにも予算が無い、そのシワ寄せはテレビ局の下請け会社に行き、どこもカツカツで撮影を行っているためどんどん質が落ちて言っている、という報告もある。どの局も数年前から同じような内情だったが、最近は特にひどいという。
「若い人のテレビ離れは深刻です。再び注目して貰うには充実した内容の番組を作る必要がある。こちらとしても、もう少し予算を増やして内容を膨らませたい。でも上は安く上げた上で、もっと視聴率を稼げと言う。昔のように、テレビしか娯楽の無かった時代とは違う事を判っていない…」(某番組制作者)
視聴者の欲している物は何か。面白いと思う物は何か。基本的なことではあるが、業界全体が今、改めて見直す時期に来ているのかも知れない。