「安倍首相は当初、お台場を推すと見られていました。しかし、同首相を支援する三菱系企業グループが大手町周辺へのカジノ誘致に動いたため、どちらになるか注目されていたんです。安倍首相がカジノ議連の最高顧問を辞任することで、カギを握るのは森喜朗元首相。森元首相は以前からお台場推進派。お台場カジノの実現が高くなりました」(永田町関係者)
近年、フジテレビは視聴率低下による広告収入減などで苦しんでいる。打開策として、2兆円市場といわれる『東京台場地区MICE/IR特区構想』に力を入れている。これが“お台場カジノ構想”だ。フジは三井不動産、鹿島建設、日本財団によるこのプロジェクトに参加することを明らかにしている。
「構想にはカジノだけでなく、大型ショッピングモールやシアターの建設も含まれている、実現すれば莫大な利益が転がり込む。しかも、構想を官邸に上げる代表に安倍首相と親しいフジの日枝久会長が選ばれたんです」(カジノ構想関係者)
ロビー活動を任された日枝会長の前に三井のライバルである三菱系企業が待ったをかけたわけだ。
ところが、参院予算委員会で共産党が「多重債務者と依存症対策の総責任者が“総理大臣”と“カジノ議連最高顧問”を務めるのは相反する」と批判したことで安倍首相は泣く泣く最高顧問辞任の意向を明らかにした。
「そこでクローズアップされるのが、東京五輪組織委員会会長を務める森元首相です。彼は遊戯業界と親交が深い。以前から業界の意向を受けてお台場のカジノ誘致に積極的だった」(経済ジャーナリスト)
また、お台場有利の情報に一番喜ぶのは日枝会長の“秘蔵っ子”とされる『とんねるず』石橋貴明と『AKB48』の総合プロデューサーの秋元康氏らしい。
「2人とも大のカジノ好き。特に秋元氏はラスベガスのカジノで大負け伝説の他にも、『カジノで15億円負けた』と吹聴したという話もあるほどケタ外れ。2人にとって、お台場カジノは大歓迎ですよ」(芸能関係者)
横浜市は林文子市長、大阪市は橋下徹市長がカジノ誘致に積極的に乗り出しているうえ、沖縄は早くから候補地として取り沙汰されてきた。
いまのところお台場有利の状況だが、“カジノ利権抗争”の行方は最後に大ドンデン返しがあるかもしれない。