内容の方だが、事前のあらすじ紹介の通り、人類が宇宙へ進出しその世界では芸能活動が厳しく制限されているという設定。アイドル活動の防衛のために変形ロボットっぽい兵器なども登場するというSF色の強い作品だ。本作の制作は同じくロボットとアイドルがテーマとなっているマクロスシリーズを手がける制作会社、サテライト。総監督も同シリーズでおなじみの河森正治氏というだけに冒頭の数分は劇場版アニメのように、ライブシーンも戦闘シーンにも妥協なしという感じだ。AKBファンならば、ライブシーンでAKB48の楽曲がそのままの音源で使用され、振り付けも実際の曲と同じなのでその辺に注目してみてもいいかもしれない。
さて、気になるAKBメンバーの演技の方はというと、他作品の芸能人参加アニメに比べると演技に違和感がない印象。特に藍田織音役の仲谷明香、一条友歌役の佐藤亜美菜は演技も上手く、良くも悪くも今風のアニメ声。このまま専業の声優としてもやっていけるのではという意見もネット掲示板でみかけた。ただし、仲谷、佐藤(亜)の他には岩田華怜くらいしか長セリフをあてていないので強くは断言できないが…。今回は冒頭の回想シーンでしか出ていなかった園智理恵役のまゆゆの演技に今後は注目か?
作品自体の評価に関してはまだ一話目、しかもオリジナル作品なので原作とも比較不能。ひとまず保留という感じだろうか。今のところAKB48のゴリ推し感もなく普通にアイドルを題材としたSF作品という感じ。今後どう舵がとられていくかで評価も変わるのではないだろうか。
最後にAKB48出演のアニメといことで避けてはならない話をひとつ。前々からアニオタの間ではAKB48のアニメ本格参加により、今後アイドルたちにアニメ主要キャストを浸食されてしまうのではという危機感をもって注目されていた本作であるが、個人的な結論をいわせてもらえばそれはないと思われる。なぜかといえば、現状でメンバーも多く絶大な人気をもっているのはAKB48だけで、いくら所属人数が多いといっても他の芸能活動もしなければならないアイドルたちに年100本以上制作される全てのアニメの主役級を埋めることは不可能。話題性を得るために他のグループのアイドルが出演したとしても、アイドル声優の方が人気も高かったりするのでそれほど宣伝効果もないだろう。なので、アニメファンは安心して作品そのものを楽しむことをオススメしたい。