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視聴者が「WBC」と勘違い? 侍ジャパンは準決勝敗退も、高視聴率を連発!

 世の中、やってみないと分からないものだ!

 大会開始前、ほとんど話題にもならなかった「野球国力世界一決定戦」をうたう「世界野球プレミア12」(WBSC=ワールド・ベースボール・ソフトボール・コンフェデレーション=世界野球ソフトボール連盟=主催)のテレビ中継が高視聴率を連発したのだ。

 世界のトップ12か国が参加した同大会は、2つのグループに分かれて1次ラウンドを行った。グループBに属した日本は5戦全勝で、グループ首位で決勝トーナメントに進出。

 準々決勝では、プエルトリコに9-3で大勝したが、準決勝の韓国戦では8回まで3-0でリードしながら、9回表に4点を奪われ、3-4の逆転負けで、決勝進出はならなかった。

 まさかの準決勝敗退で、NPB(日本野球機構)には「小久保(裕紀)監督をやめさせろ!」「決勝戦のチケットを払い戻せ!」といった苦情が殺到したという。

 残念ながら、日本の決勝進出はならなかったが、日本戦のテレビ中継は高い視聴率を連発し、地上波独占放映権を有していたテレビ朝日、TBSにとっては、笑いが止まらない状況となった。

 その視聴率は、1次ラウンドが、8日・韓国戦(テレ朝)=19.0%(数字は以下、すべて関東地区)、11日・メキシコ戦(テレ朝)=16.4%、12日・ドミニカ戦(TBS)=15.4%、14日・アメリカ戦(テレ朝)=18.2%、15日・ベネズエラ戦(TBS)=20.0%と、全試合で15%超え。

 16日の準々決勝(プエルトリコ戦=TBS)は18.6%、19日の準決勝(韓国戦=TBS)は25.2%まで跳ね上がった。

 21日の決勝戦(午後7時開始)は、テレ朝が放映権をもっていたが、日本の準決勝敗退で、韓国対アメリカの決勝戦の放送は深夜に回され、3位決定戦(日本対メキシコ=同日午後1時開始)のみ生中継された。

 テレ朝としては、日本が決勝に残ってくれれば最高だったが、それでも両局にとっては、前評判が低かっただけに、うれしい誤算となったようだ。

 初開催で、事前の周知も満足にされていなかったことを思えば、「世界野球プレミア12」は日本的には成功といえそう。ただ、どれほどの視聴者が、この大会の開催趣旨や立ち位置を理解していたかは、はなはだ疑問。なかには、「WBC」と勘違いして見た人も少なくないだろう。本当の意味で勝負となるのは、4年後に予定される第2回大会になりそうだ。

(落合一郎)

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