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交流戦開幕日もテレビ中継ナシ… 今季は「セ・リーグ有利」って本当か?

 交流戦開幕−−。セ・リーグ4勝、パ・リーグ1勝、1分け。17日に始まったセパ交流戦は、セ・リーグチームが勝利数を積み上げてみせた。2005年から導入されたセパ交流戦において、最終勝利数でセ・リーグがパ・リーグを上回ったのは09年の1回のみ。ダルビッシュ、涌井、杉内、和田、岩隈、田中、金子…。パ・リーグは好投手が多く、「この図式は暫く変わらない」というのが大方の見方である。しかし、今季はセ・リーグが肉薄する可能性が高いと言う。
 昨季のセ59勝、パ81勝(1分け)の内訳を指して、こんな分析もされている。

 「昨年は横浜(セ)が危機的状況にありました。巨人の勝率5割がセの最高順位なのは考えものですが」(在京セ・リーグ球団職員)
 横浜が昨季のように一方的負け方をしなければ、状況はたしかに違ってくる。昨季は6勝18敗(12位)、関係者には失礼かもしれないが、過去6年の交流戦で3度も最下位(12位)に沈んだのは横浜ベイスターズだけだ。横浜が一方的に負け越すようなことがなくなれば、事態は好転するというのだ。
 「昨年の今頃、ヤクルトも壊滅的な状況にありました。快進撃が始まる前のことですから、セには『安全パイ』と目された球団が2つもあったわけです」(前出・同)
 横浜は苦戦が続いているが、今季は先制点を奪われても「下」を向かなくなった。また、昨季の横浜、ヤクルトのような危機的状況にあるのは、パ・リーグのオリックスだ。そう考えれば、「今季は肉薄できる。勝ち越しも…」という考えも間違いではないようだ。

 プロ野球解説者の1人はこう予測する。
 「日本ハムの斎藤佑樹、埼玉西武の大石達也がいない分、今季のパ・リーグで新しい戦力(投手)はオリックスの西(勇輝)くらい。岩隈も右肩に違和感を訴えていますし、パ・リーグが圧倒的有利とは言いきれません」
 それに対し、在京球団スコアラーはこう反論する。
 「パ・リーグをキリキリ舞いさせた広島・前田健太に昨季ほどの勢いが感じられません。ソフトバンク、日本ハムの好調打線を抑えるのはひと苦労です。中日も精彩を欠いている」
 故障者続出の原巨人も厳しい展開が続いている。横浜、ヤクルトが上向きでも、広島・前田が不振で、中日、巨人が戦力ダウン。「セ・リーグが有利」とは言い切れないのではないだろうか。

 「セ・リーグには『交流戦を勝率5割くらいで乗り切って』と、後退的な発想をするチームも少なくありません。パ・リーグ球団は札幌−福岡間を移動するのに対し、セ・リーグ関東球団は同じ宿舎ホテルから移動できる距離にあります。一時期、パ・リーグは土・日曜日にデーゲームをやって、その足で長距離移動していました。パ・リーグの方が体力面では『上』です」(前出・在京球団スコアラー)
 交流戦もマンネリの風が吹き始めた。通常シーズンで指名打者を使わないセ・リーグが打線爆発し、投手が打席に立たないパ・リーグがトリッキーな作戦を見せる…。そういう醍醐味がなければ、交流戦も“消化試合”と化すのは時間の問題だ。テレビ中継数(地上波放送)を復活させるためにも、まずはセ・リーグが高い勝率を残すべきだろう。

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