3歳馬の伸びしろ込みで、アポロドルチェに白羽の矢を立てた。
こちらもセントウルSでは11着に終わっているが、長距離輸送の影響で8キロ減と馬体細化、おまけに開幕週の馬場で出遅れては仕方ない結果だった。前走を除けば、1400メートル以下では<3011>と、短距離馬としての資質は証明済み。特に3着に敗れたアイビスSDは圧巻だった。直線競馬では圧倒的に不利とされる1番枠から上がり3F31秒7の決め手を発揮、0秒1差まで追い込んだ脚は一級品のスプリント能力を示すものだった。
中2週だが、疲れもなく元気いっぱい。今週はWコースで追われ、3頭併せで大きく先着。追われてからの反応の良さはひと際目立ち、ラスト1F12秒0でフィニッシュした。「体はふっくらしているし、動きは抜群」と堀井師がいえば、手綱を取った勝浦騎手も「前走より良くなっています」と好感触に笑顔いっぱい。大一番に向け、万全といえるデキに仕上がっている。
テンの速い馬がそろって、展開はおあつらえ向き。地の利がある中山にかわるのに加え、4週目で芝が荒れてきており、中間の降雨もあいまって時計のかかる馬場になっているのも、道悪巧者のこの馬にとっては好材料だ。「終いの脚が武器。かなわない相手とは思わないし、一発狙っていきます」と勝浦騎手もやる気満々。直線の強襲劇に期待。