間違いなく引退するだろう。来年の参院選には出ないし、衆院選にも出ない。新しい政党も作らない。何年後かに再登場して同じようなことをやっても、今のような人気は出ない。大阪という特殊な舞台で興行を打っていたから人気があっただけで、本人もわかっているから、国政には出てこない。国政はたとえ本人に能力があっても、それだけでは動かない。
実際、これまでだって、国政に打って出るタイミングはいくらでもあった。大阪に専念するという彼の選択は正しかったよ。
維新の党は、しばらくは持つだろうけど、将来的にはなくなるだろう。橋下も政党自体に未練はないはず。離党者がポロポロ出始めるだろうから、影響力も低下していく。半分以上は自民党に行きたいと思っているはずだ。
でも、自民党から出て行った人もいるから、そう簡単ではない。主義主張はデタラメで選挙の有利不利だけを考えて民主に行く人も何人かはいるだろうが、しょうがないから維新にとどまるという人が結果的には多くなるんじゃないか。
橋下にすれば「オレは精いっぱいやったから後は俺の責任じゃない」と言えるし、「やっぱり橋下さんじゃなきゃダメなんだ」という声も出てくる。それにしても「最高顧問」なんて肩書きで呼ばせるのは格好悪いよね。この呼称が出た段階で、俺は橋下は終わりだと思った。というより寂しく感じたね。本来の橋下に似合わないから。
政界を引退して、次は何を目指すのか。
そこが彼の一番難しいところだろうな。一つは金もうけじゃないかな。それは彼の昔からの願望でもあったはず。この7年間は個人的にはほとんど稼いでないからね。この方向で行くなら最も稼げる弁護士になって法曹志願者の人気を高めてほしい。
もちろん、タレントにはすぐ戻れる。でも、東国原と同じように見られるのはイヤだろう(笑)。じっとしているのは退屈だろうから何かやるだろうし、それは皆で楽しみにしていいんじゃないかな。取りあえずは「お疲れさん!」だね。
(文中敬称略)
丸山和也(まるやまかずや)
1946年兵庫県生まれ。東京の中心に法律事務所を構える。日テレ系人気番組「行列のできる法律相談所」レギュラー出演中の2007年、参議院選挙に自民党から出馬し当選。現在2期目。党司法制度調査会会長、党政務調査会副会長。「丸山総合法律事務所」代表。