二人の出会いは幼稚園までさかのぼる。中学で同じバンドに参加。キッスやレッド・ツェッペリン、ディープ・パープルなどのコピーをはじめたという。さらに高校2年になるとTOSHI、YOSHIKI、さらに同級生とともにロックバンド『X』を結成。これが、その後日本を代表するロックバンド『X JAPAN』の原点となった。高校卒業後は本格的に活動を開始、やがて日本を代表するロックバンドへ成長していったのはご存じのとおりだろう。ともに成功への階段を登ってきた二人に亀裂がはいったのが1997年。TOSHIは癒し系の歌手を目指す意向をYOSHIKIに告げる。同年に『X JAPAN』は解散。この頃からTOSHIは迷走をはじめた。
解散後、YOSHIKIはテレビ番組で「バンドのことは全部自分で勝手に決めていました」と告白している。“天才”YOSHIKIにとって他の意見に耳を傾ける必要などなかったのだろう。ただ、このYOSHIKIの行動が長年の友人であるTOSHIを悩ませていた可能性は高い。「TOSHIが自己啓発セミナーと言われるものに心酔していったのは、一緒にはじめたYOSHIKIのワンマンぶりに疑問を持つようになったことが原因だと言われています」(音楽業界関係者)。人気ボーカリストとして世間から認められるようになっても、バンドの主導権は幼馴染みがにぎっている。このことに不満を感じるのはわからなくもない。
別の道を歩みだしてから10年以上の月日が流れ、TOSHIとYOSHIKIが再び活動をともにする。ファンが待ち望むTOSHIの完全復活は、今までと違う新しい関係を二人が築くことができるかにかかっているのかもしれない。