夏場は北海道のノーザンファームで英気を養ってきた。「あちらでもある程度の乗り込みをこなしてきたし、最後にもうひと追いすれば態勢は整うだろう」と松田博師はうなずいた。
早くから逸材と評価されながら、ようやく本物になったのは7歳になった今年から。1月の日経新春杯、2月のダイヤモンドSを連勝して勢いに乗った。
「何より落ち着きが出てきたのが大きい。精神面の幼さがなかなか力を出せなかった原因だけに、やっと本格化してくれた」
天皇賞はあと一歩足りなかったが、「後ろから行く馬に流れが向かなかっただけ。この秋は大きいところをと思っているんだ」。GI級のオープン馬が多数いる松田博厩舎。遅れたきた大物にかける期待は小さくない。
【最終追いVTR】いつものように終いだけ脚を伸ばした。ゴール前での鞍上の仕掛けに反応し、シャープな伸びでフィニッシュ。休養明けだが動きはキビキビしていて、太め感はまったくない。