毎年、紅白の司会は大きな話題となるが、今回、女優の有村架純が選ばれた理由は、来年のNHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」のヒロインに決定していることから、そのプロモーションのための選出ということは非常にわかりやすい。しかし、一方の相葉の選出には不可解との声も少なくない。ただ、そもそもNHK紅白歌合戦の司会者は、成り手がいないため、毎回、難航しているという。
まず、敬遠されている理由は、拘束時間が異常に長いこと。本格的なリハーサルは本番の3日前からはじめるが、12月とんでもない分厚い台本を渡され、ドラマや映画の台本を覚えるように手間がかかる仕事。年末は芸能人にとって稼ぎ時であるため、ここでの長期間の拘束はシャレにならない。
また、そもそも「紅白歌合戦の司会者という仕事」そのものが嫌がられている。その理由は、まったくアドリブが許されないこと。他番組で司会を担当するタレントは、アドリブこそが自身の個性を発揮できる場所でもあり、アドリブができないとなれば、自身の評価の下落にもつながる。かつて、みのもんたは、紅白の司会を担当した時に、いっさいのアドリブができないことで、制作者ともめたこともある。
紅白の女性の司会者は朝の連続テレビ小説や大河ドラマのヒロインが担当することが多いが、ヒロイン決定とともに、その条件として司会の仕事も付随させる流れもあるようだ。一方の男性の司会者の場合は、特定の事務所のゴリ推しで決まるとのウワサが絶えないが、制作者側からすれば、快諾してもらえるだけでもうれしいようである。
かつて国民的番組とされ、出演するだけでも大きな名誉であった紅白も時代とともに変わっているようだ。