馬券的な妙味で面白そうなのはベルモントストーム。かつては無敗で京浜盃馬になり、東京ダービーではアジュディミツオーを抑えて1番人気の支持を集めたこともある。
9年前に東京大賞典を制して、一世を風靡(ふうび)したあのアブクマポーロにかかわってきた者たちが手掛けていることでも知られる。陣営は絶対能力にほれこみ続けてきた。しかし、体質的に非常に弱く、素質を開花させてあげられない苦しみが続く。それでも焦らず、アブクマポーロが教えてくれた「無理をさせずに待ってあげる」ことが光明を見いだす。
前走のアフター5スター賞は3度目の長期休養明け。11番人気の中、3着に突っ込んできたのだが、この馬の能力を考えればまったく不思議でない結果。体に痛い部分がなくなったことで思い通りに仕上げられるようになった。歩様が改善され、体全体を使ったフォームに変わってきたのだ。
「距離は一気に延長するけれど、短距離を使ったことで気合乗りが良くなっていいと思う。折り合いはつく馬だからね」と手綱を取るのは父の石崎隆之騎手から託された駿騎手。
真骨頂を発揮できるか非常に興味深い。全国レベルであることは、この馬にかかわる誰しもが感じてきたことだから。