その前に鈴木は9・23後楽園ホール大会で行われるアジアタッグ選手権で曙&浜亮太の総体重400キロのメガトンコンビの挑戦を受けて立つ。パートナーのNOSAWA論外は、6か月防衛戦を行わなくても王座が剥奪されない規定をフル活用し、年2回のみの楽々防衛プランを練るが、鈴木のスタンスは「面白いのがいたら防衛戦をやる」というもの。鈴木にとって曙&浜はインスピレーションがわく存在で、NOSAWAには無断で2人の挑戦を承諾した。
戦略は立ててある。「東京タワーでも柱一本崩せば勝手に倒れる。それはデカイ選手との戦いで実証ずみ」という。
負けるわけにはいかない。11月に控える台湾遠征に向けて「昨年の大会は前座扱い。今年はアジアタッグ王者の権限でメーンに出る」とベルトは不可欠だ。さらに、アジアタッグ王者として『最強タッグ』への出場も視野に入れており、鈴木いわく「すべてはNOSAWA次第」となる。
注目の9・26横浜大会の船木戦については、シングル対決は過去2度実現しているものの、鈴木にとっては「ないと思っていたはずの3回目」になる。船木との戦いは8・30両国大会で決着させるはずが、終わってみれば船木が話題を独占。ブランクを感じさせない軽快な動きを見せ、強烈なインパクトを残してみせた。
だが、鈴木の船木評は「『こんなもんか』と思った。ドロップキックも当たらない再デビューの新人君。最初に蝶野に決めたショルダータックルを見て、若手の真田かと思ったよ。途中からは武藤に目が行った」。心に響くものがなかった鈴木は、押し込まれた場面については「レベルを下げて付き合ってあげた」との見解を示す。さらに、鈴木は続ける。
「正直、アイツに構ってられない。アジアタッグ、世界タッグの王者としてやることもあれば、三冠も視野に入っている。名古屋(5月30日)で高山に負けて、あの時は納得したけど、自分の力をもう一度誇示したい。やることはいっぱいある」
そして最後に、船木に次のようなメッセージを送った。「全日本で君の相手をしてあげるのは横浜まで。トドメを刺す」。始まったばかりの船木のプロレス第2章に、鈴木が終止符を打つ。