お笑い芸人の3人組がもともと2人組というパターンはある。ネプチューンは、原田泰造と堀内健のフローレンスに名倉潤がツッコミとして加入することで出来上がった。ネプチューンに同じく、ワタナベエンターテインメントの所属芸人である我が家も、中学の同級生で組んでいた杉山裕之と谷田部俊のルーキーズに、俳優志望だった坪倉由幸が加入し誕生した。坪倉がイケメンなのはそのためである。
さらに、「ルネッサーンス!」のフレーズでもおなじみの、あのキャラクター芸人も、もともと3人組として知られる。
「髭男爵ですね。現在はコンビですが、もともとはひぐち君と山田ルイ53世のほかに、市井昌秀がいました。ひぐち君と市井はお笑い仲間であり、さらに、山田と市井が吉本興業の芸人養成所であるNSC東京校の同期の間柄であり、市井を共通の知り合いとして髭男爵が結成されました。しかし、市井は数度のライブに出ただけで脱退してしまいます」(芸能関係者)
髭男爵はその後、貴族キャラでブレークを果たす。これには、くりぃむしちゅー上田晋也の「お前ら貴族でも男爵でもないじゃねえか」のダメ出しが功を奏したようだ。一方の市井も別の形で出世している。
「市井は、現在は映画監督として活躍しています。お笑い芸人のあとは、役者を目指し劇団の東京乾電池の研修生を経て、映画学校のENBUゼミナールで映画製作を学びました。アマチュアの映像コンテストである『ぴあフィルムフェスティバル』では『隼』で準グランプリを獲得したほか、星野源が主演の『箱入り息子の恋』では日本映画監督協会新人賞を獲得しています。まさに、今もっとも注目されている邦画監督と言えるでしょう。明らかに髭男爵よりも出世した存在だといえます」(前出・同)
お笑い芸人は、それぞれの人物にドラマがあると言えるだろう。