「道中でしっかり折り合えたことが大きいね。それにしても、4コーナーで大外を回って押し切るんだから強い内容だったんじゃないかな」。音無調教師は力でもぎ取ったクラシック制覇に自信の笑みを浮かべる。
前走後は、このジャパンC一本に照準を定めてきた。1週前には坂路で800メートル53秒1をマーク。前走同様、抜かりない仕上がりだ。「菊花賞と何も変わっていないのが一番だね」。もちろん、今回は菊と同じようにはいかない。古馬ウオッカをはじめ、同世代のライバル・ディープスカイなど強敵がウジャウジャといる。
しかし、指揮官に気後れはない。「左回りの二四を一度、走らせてみたかった。長くいい脚が使えるし、条件はすごくいいと思う。何より3歳馬なので55キロで出走できるのは有利」
いずれは手を合わせることになる面々。魅力的な舞台を前にして力を試す絶好の機会を自ら捨てることはない。何より、父ジャングルポケットは菊花賞(4着)からジャパンCへと挑戦して、3歳馬による勝利を飾った。7年越しの父子制覇へ向け、孝行息子が大きくはばたこうとしている。
【最終追いVTR】テンからビッシリと追われ、ゴール前での押し出しにしぶとく伸びた。最終追いでこれだけ目いっぱいにやれるのは調子のいい証拠。菊花賞の疲れはない。
(写真=オウケンブルースリ(右)は併せ馬で目いっぱいに追われた=27日、栗東トレセン)