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今週から本格始動 ユタカ ブレイクランアウトとのコンビで2週連続重賞Vだ

 “暖気運転”を終えた天才がいよいよエンジン全開だ! クラシックの登竜門「第43回共同通信杯」(GIII、東京芝1800メートル、8日)。外の大物ブレイクランアウトに騎乗する武豊騎手(栗東・フリー)は先週、大胆な騎乗でGIII・京都牝馬Sを勝利し、今年初のタイトルを獲得、落馬骨折から完全復活を遂げた。最近は岩田、内田などの陰に隠れがちだったが、今週から一気に騎乗数を増やし、本気モード。2週連続で“ユタカマジック”がさく裂するシーンは十分だ。

 昨年11月の落馬による右腕骨折の影響でポテンシャルをフルに発揮できずにいた武豊騎手だが、先週の日曜日は6鞍騎乗して重賞を含む3勝と大活躍。いよいよ軌道に乗ってきた。
 京都牝馬S(チェレブリタ)では久々に“ユタカマジック”も見られた。馬込みに入れれば燃えるという馬の特性を生かし、意図的に内をすくう彼ならではの好騎乗。これにはレース後、本人の口から「今は右ステッキもバンバン振れる。もう大丈夫だよ」と全快宣言とも取れる発言が飛び出したほどだ。先週までは自ら騎乗数を抑えていたが、今週からフル参戦することが決定済み。8年連続のリーディング獲得に向けて、天才がようやく“本腰”を入れてきた。

 今週、最も力が入るのが3度目の騎乗となるブレイクランアウト(共同通信杯)だ。過去2戦は2着(クビ)、3着(アタマ+1/2馬身)の際どい内容だったとはいえ、ともに1番人気を裏切ってしまった。とくに復帰初戦となった前走の朝日杯FSは「GIを勝つ資格のある馬だったんだけど、人間が休み明けだったからね」とレース後、珍しくうなだれたように、“右腕が普通の状態であれば”と思わせた歯がゆさが残るレースだった。自身の問題(骨折)でスターダムにのし上げられなかった馬だけに、心中期するものがあるはずだ。

 ユタカの回復とともに、ブレイク自身もさらなるパワーアップを遂げている。斎藤助手も「この2戦の敗因は馬の幼さとハッキリしていたので、中間は精神面の鍛錬に時間をさいた。少しずつだけど、大人になっているのが分かる」と成長を感じ取っている。「前走後、豊さんは『仕掛けが早かった』と言っていたけど、子どもっぽさが出ただけ。能力の高さは分かっているので、普通に走ってくれればいい」
 全快した鞍上に、一本シンが入った鞍下。このコンビにもはや敵はいまい。節分の今週、キーワードは「福は内」ならぬ「福は外」だ。

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