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「街道」で選ぶ、住んではいけない街とは?国道246(にいよんろく)号編

総延長●126㎞
起点●東京都千代田区三宅坂交差点
終点●静岡県沼津市上石田交差点
制定年●1956年東京近郊通過地域●青山、渋谷、三軒茶屋、二子玉川、川崎、厚木、ほか

 地方出身者は、「246」になぜだか憧れを抱く。国道246号、またの名を青山通り、玉川通り。東名高速道路に乗って東京方面にやってくれば、最初に出会う一般道のひとつが「246」である。そのルートは世田谷区内を横断しており、途中には三軒茶屋などというサブカルかぶれの田舎者ホイホイタウンがあったりする。地下には東急田園都市線、頭上には首都高渋谷線&東名高速と、まあ何かと地方出身者の“東京への憧憬”を満たしてくれるもろもろが揃っているのが国道246号なのだ。渋谷から山手線内に突入すると青山通りなんていう名前になるあたりは、ますます田舎者の琴線に触れるのだろう。そんな246のそもそものいわれは、江戸時代に整備された東海道の脇街道。簡単に言えば人通りの多い東海道を避けて通るバイパスルートのようなものだ。それが江戸時代に流行した大山詣でのルートにも組み込まれて“大山街道”などと呼ばれ、茶屋が立ち並んでいた渋谷あたりも結構な賑わいだったという。

「何もなかった渋谷の町は、近現代になって鉄道駅ができてから発展した!」というのは、鉄道至上主義者、もっと言えば東急史観にどっぷり使った連中の戯言なのである。

 ただ、今のように246が大街道に発展したのは戦後になってから。そもそも田舎者が憧れる246沿いの世田谷区内も、戦前は田畑が広がる田園地帯で、いくつかの住宅地が点在する程度だった。だが、大東急様の社運を懸けた大開発が昭和初期から続けられ、そのおかげでチンチン電車の玉電(玉川電気鉄道)は地下に潜って東急田園都市線となり、気がつけば東京でも屈指の住宅地となった。
というわけで、今では246沿いの三軒茶屋にはおかしなナルシストどもが暮らし、サザエさんでおなじみ桜新町あたりは単身者向けマンションが林立。住んでいるのはもちろん田舎者ばかりである。そもそも現代の“世田谷=高級”なイメージは、むしろ東横線沿線の自由が丘や田園調布で形作られたもの。246沿線は、実はただの東京に憧れるだけの田舎者の巣窟なのだが、それを知らぬは本人たちばかりなり。

 だからきっと、246沿いに暮らしている連中は、生粋の東京人や自由が丘・田園調布民に蔑まれているのも知らずに、「オレ、東京で上り詰めた」とでも思い込んで至極幸せなことだろう。

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