かつて「クラス最強」との呼び声高かったイーグルだが、昨年11月のロレンソ・トレホ(メキシコ)戦ではダウンを喫した末の苦しい判定勝利。八重樫を迎え撃つ4度目の防衛戦は汚名返上の絶好の機会ながら、あろうことか「不調なのでは」というささやきが聞こえてきた。
不安要素その1は前回の試合で悪化させた右拳の回復具合だ。本人は「全力でパンチを打てる状態にある」と強がってみたものの、ミット打ち練習では、衝撃の負担が減るタイプのミットを使用。「万全の状態」に疑問の声が上がった。
さらに目を引いたのがイーグルの肉体である。この日の公開練習では、最軽量級離れした黒光りのマッチョボディーにいつもの輝きはなく、どことなく元気のない印象を与えていたのである。
「慎重に戦いたい」といつになく控えめな発言に終始するあたりも気になるところ。キャリアと実績で大きく上回るイーグルが、日本最速世界奪取記録となるプロ7戦目で挑戦する八重樫に足元をすくわれるのか。視察に訪れた大橋秀行会長の「もらったな」という笑いが何とも不気味だった。