アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずきが引退を模索しているという。北京五輪での直前棄権以降も、ケガの連続で満足な練習すらでき来ていない。「走った距離は裏切らない」を信条としている野口にとっては非常に苦しい状況だ。
さらにメンタル面も追い打ちをかけている。ライバル・高橋尚子の引退で、精神バランスも欠き、とても走る心身状態ではないというのだ。
もともと、マラソン選手は「5年がひと区切り。18歳でマラソンデビューしたら23歳がピーク。25歳で始めたら30歳がピーク」と言われており、五輪2大会連続出場(前回・北京は棄権)の野口は、とっくにピークを過ぎていることになる。
「ピークを過ぎたら、タイムはどんどん落ちていきます。例えば、女子陸上界で男性をうまく使って長く第一戦で活躍していた弘山晴美(現・資生堂コーチ)のケースは適度のセックスコントロールで精神バランスを保ち、日々落ちていくタイムも“それはそれ”として受け止め、下方修正を繰り返し行った結果、40歳まで現役でいられたのです。
しかし高橋尚子や野口みずきのようなトップスピードのある選手はどうしても、それを受け入れられない。そのため、体力が低下しているのにもかかわらず、若手以上の練習をする。そうすると、間違いなく故障する。故障すると、下から上がってくる選手に脅威を覚え、焦る。焦るとまた、故障する…これの繰り返しで、精神的に追い込まれる。そんな時、精神的支えを失うと、一気に気力が低下してしまう」(陸上関係者)
今の野口はまさにその典型で、チームスタッフは、このまま走らせずに引退させるか、レベルの低い大会を一本踏ませて引退するか検討しているという。
既にマラソン人生には絶望感の漂う野口だが、秘策はないのか? こんな意見もある。
「結婚や出産を機に再び輝く選手もいます。野口も結婚して男性ホルモンを注入すれば意外とまたイケるかもしれません。高橋が越えられなかった年齢の壁を越えてロンドンを目指してほしい」(スポーツライター)。
とはいえ、浮いた話もない野口だけに電撃結婚の線は薄い。現状のまま“引退”の路線がかなり濃厚といえそうだ。
これまで地味でメディア露出も控えてきた野口だけに、引退後も高橋のような派手な活躍は見込めない。高橋に次ぐ日本人2人目の女子マラソン金メダリストが、このままひっそりと引退しメディアからも消えてしまうのはあまりにも寂しいが…。