「球団側が『明るい内容にして欲しい』とお願いしたようですね。でも、鳥谷本人が引き受けてくれるとは制作スタッフも驚いていました」(TV制作プロ関係者)
鳥谷が登場したテレビCMとは、衛星放送スカイAのプロ野球中継番組の宣伝。お茶の間でプロ野球中継を見ていたら、鳥谷がテレビ画面から出てきて、カメラ目線で決めポーズをするというもの。カメラ目線を送るときの鳥谷は目を大きく見開いており、「こんな一面があったんだ…」と、意外さで視聴者を喜ばせている。クールガイのイメージは崩れたかもしれないが好評のようだ。
「阪神の選手グッズでいちばんの売上を記録しているのは鳥谷です。藤浪のルーキーイヤーだった年も、鳥谷の方が、売上が上でした」(在阪記者)
鳥谷が宣伝したプロ野球中継日は3月29日の中日戦。中日はレギュラー選手の高齢化が進み、若手選手がポジション奪い取れていない。新しいスター選手が出てこないせいか、どの放送局も「中日戦は視聴率が取りにくい」とこぼしており、主催の阪神球団としても何かしらの手を打たなければならないと思ったのだろう。
しかし、鳥谷が覆したのはクールガイのイメージだけではなかった。
「和田(豊=52)監督の構想で、鳥谷の打順を変更しました。『1番鳥谷、3番西岡』の打順が理想だというのです。鳥谷は出塁率も高く、走れる選手ではありますが、鳥谷が1番打者で活躍すればするほど、生え抜きの中堅が活かされない…」(前出記者)
1番打者鳥谷の和田構想で犠牲者になったのは、二塁の定位置を奪った上本博紀(28)だ。開幕から、鳥谷と西岡を繋ぐ2番打者で起用されているが、精彩を欠いている。4月3日の巨人戦ではチームが快勝しても、上本だけは5打数無安打。前節のヤクルト戦ではバント失敗に加え、2失策と、いいところが全くなかった。
「昨季は1番打者でチームに貢献しました。右方向にも打てるバッターなので、2番打者の適性もあると思いますが、鳥谷が出塁すると、バントやエンドラン、カウントごとにサインがめまぐるしく変わるので、戸惑いを感じているようです」(同)
上本自身も、「自由度が違う」と、1番打者時代との違いをこぼしていた。
和田監督は現役時代、2番打者で二塁手を任されていた。上本に期待し、自身と同じポジションを踏襲させたのだろうが、逆効果となってしまった。1番鳥谷が出塁する度に、上本は悩んだ表情に変わる…。
「鳥谷は昨オフに5年20億円とも言われる契約で阪神に残留し、事実上の生涯トラ宣言をしたようなもの。その後、鳥谷をCMで起用したいという企業も現れ、詳細を詰めている段階です。1社あたりのギャラが5千万円とも7千万円とも言われています」(球界関係者)
今回のスカイAのCMでのイメチェンはその一環であり、CMタレントとしてブラウン管に登場し、お茶の間を楽しませる機会はさらに増えそうだ。しかし、本職でのイメチェン、1番打者鳥谷は上本からしたら見たくないだろう。