「ヤクルトは李承●(●は火へんに華)(イ・スンヨプ)の去就に注目していくようですね」(球界関係者)
イ・スンヨプ内野手(34)は故障などもあり、出場試合数が激減した。打撃成績も低迷したままだが、「環境を変えれば、まだやれる」とヤクルト首脳陣は評価していくそうだ。
前出の関係者がこう続ける。
「伊勢孝夫コーチが強く訴えているんですよ。巨人コーチ時代からイ・スンヨプの素質を高く評価していましたからね」
伊勢氏は小川新体制で“参謀役”を務めることが正式決定している。07年オフに『巨人・打撃コーチ補佐』を解かれたが、ヤクルトに現場復帰した今も、イ・スンヨプの不振を気に掛けている。
「もうヤクルトのユニフォームを着ているから、言えないこともあって…」
フリートークではあるが、氏は「イ・スンヨプを蘇生できる自信」をチラつかせていた。
「巨人がイ・スンヨプを切るのは間違いないでしょう。彼の勝負強さを認める関係者は多いですが、『苦手コース』を覚えられたというか、イ本人もそれを気にしすぎて、本来の打撃を見失ってしまいました。『もう終わった選手』と判断されています」(前出・同)
「まだできる」「蘇生させられる」と見ているのは、伊勢氏だけのようだ。
今オフ、巨人はクルーンに代わり得るストッパーを補強する。その最有力と目されているのが、ヤクルトとの3年契約が満了する林昌勇(34)で、「代理人は推定年俸1億4600万円を大幅に釣り上げてきます。マネーゲームになったら、巨人しか対応できない」という見方が支配的だ。
「いや、3年前、林の代理人はヤクルトとの契約をまとめる際、巨人の名前をチラつかせました。当時、滝鼻・巨人オーナーは『接触の事実はない』とし、交渉の材料に自軍の名前を使われたことに激昂しています。こういった経緯があるだけに、スンナリとはまとまらないと思う」(プロ野球解説者の1人)
巨人内部に詳しい関係者によれば、滝鼻オーナー以下何人かの幹部役員は、今も林サイドに不快感を持っているそうだ。しかし、原辰徳監督が林の闘争心溢れる投球を称賛しており、日本で実績のない新外国人投手を連れてくるよりも、林の方が計算も立ち易い。そうした現実的選択から、林の強奪説が消えないのである。
「林はヤクルトと昨年オフの段階で新たに複数年契約を交わしたとの情報もないわけではありません。真相は分かりませんが」(前出・関係者)
また、イ・スンヨプはメジャー挑戦の意向もあったが、近年の不振でマイナー契約も厳しくなってきた。韓国球界への帰還も考えにくく、「日本で復活し、巨人を見返してやりたい」というのがホンネではないだろうか。
「ヤクルトにすれば、ラミレス(4番)、グライシンガー(エース)を横取りされ、そのうえ、林(ストッパー)まで獲られるとなれば…。一泡ふかせてやりたいと思うのは当然です。今回は林をそう易々と手放さないでしょう。出場機会に恵まれない他の巨人野手を一本釣りしようと企んでいるのは、ヤクルトだけではありませんよ」(前出・同)
伊勢氏は小川淳司・新監督、フロントからも絶大な信頼を寄せられている。他外国人選手との兼ね合いもあるが、巨人から出される“再生可能な代物”はコシヒカリ米だけではなさそうだ。